車検切れの車は、公道を走行できないことが道路運送車両法で定められていますが、廃車という選択はできます。ただし、車検切れの車を運転して業者に運べないため、レッカーを依頼する必要があることに加えて、書類上の手続きも必要です。
この記事では、車検切れの車を廃車にする手順や注意点について解説していきます。
車検切れの車を廃車にする時の手順
車検切れの車を廃車にする場合、これまでのように公道を走行して手続きに向かうことはできません。万が一、車検切れのまま公道を走行した場合は、無車検車運航として免許停止や罰金などのペナルティが設けられています。
レッカー移動を依頼するか仮ナンバーを取得する
今は車を使用しなくても、将来的に使用する可能性がある場合、車検を通しておいた方が安心です。なぜなら、車検切れになった車は使用したくても走行させることができないだけでなく、車を所有している限りは納税義務が生じます。
自動車重量税は、車検を受けると同時に支払う仕組みとなっていますが、自動車税は単に車検切れという状態であっても支払う必要があるのです。
もし車検切れになった車の廃車を検討しているのならば、解体を依頼する業者にレッカー車で引き取りに来てもらうか、自分で仮ナンバーを取得し、解体業者まで持ち込まなければなりません。
解体を依頼する場合
解体を依頼する場合は、車の廃車を専門に行っている業者や廃車買取業者に依頼します。多くの業者は、WEBや電話で受け付けており、24時間体制で連絡可能なケースもあります。
また、任意保険のレッカーサービスでは、距離が決められていたり料金が発生する場合もありますが、レッカー料金無料で引き取ってくれる業者もあります。
仮ナンバーを取得する場合
仮ナンバーを発行するためには、自動車損害賠償責任保険の証明書が必要です。しかし、自動車損害賠償責任保険は車検と同時に継続手続きするのが一般的であるため、車検切れの場合は別途加入手続きをしなければなりません。
仮ナンバーの発行を目的として加入する場合は、最短の1カ月の加入でよく、普通車では5,870円の支払いで済みます。仮ナンバー発行の手続きは、各市町村役場や管轄の陸運支局に申請し、以下のような書類が必要です。
運転免許証
自動車損害賠償責任保険の証明書
認印
仮ナンバー使用料
仮ナンバー使用料は、1台につき750円かかります。この他には、自動車検査証・抹消登録証明書・登録事項等証明書の中から1つを準備しなければなりません。
運輸支局の窓口で書類一式を提出する
廃車の場合、車検切れになった車自体を業者に持ち込むこと以外に書類上の手続きが必要です。この手続きは、車検と同じく道路運送車両法によって義務づけられており、一時的に使用を停止する方法と廃車のように永久的に使用を停止する方法、所有者を解除する方法の3種類があります。
廃車の申請は、管轄の運輸支局に設置されている窓口に書類一式を提出し、ナンバープレートを返却します。書類に不備がなければ、廃車の手続きは終了となります。
運輸支局内の税窓口に申告書を提出する
廃車を申請する際には、自動車税と自動車取得税の申告書を提出すると、余分に納めた税金が月割で計算されて後日還付されます。申請方法は、運輸支局内にある税の申告窓口に行き、自動車税と自動車取得税の申告書を提出します。
なお、申告に必要な書類は、運輸支局内の窓口で配布されているため、事前に準備しなくても安心です。
車検切れの車の廃車手続きに必要な書類
車検切れになった車は、今後使用する可能性がない場合は「永久抹消登録」、改めて車検を受けて使用する可能性がある場合は「一時抹消登録」という手続きを行います。
永久抹消登録の場合
今後使用する予定が一切ないのであれば永久抹消登録を行い、以下の書類を用意しましょう。
自動車検査証
印鑑登録証明書
実印
前後2枚のナンバープレート
この他には、業者で解体を済ませていることがわかる解体日が記されたメモとリサイクル券などを持参します。なお、申請に必要な以下の書類は、運輸支局の窓口で入手できます。
永久抹消登録申請書
手数料納付書
自動車税・自動車取得税税申告書
一時抹消登録の場合
今後使用する予定があったり、自動車税が非課税になるように一時的に廃車にしたい場合は、一時抹消登録を行います。この手続きには、永久抹消登録と同様の書類が必要です。
手数料納付書、一時抹消登録申請書、自動車税・自動車取得税の申告書などの書類は、運輸支局の窓口で入手できます。
車検の切れた車を廃車にする時の注意点
車検切れの車を廃車にする際には、納税の状況によっては手続きできない可能性があるので注意が必要です。また、自動車税の取扱いについては、自治体によって異なります。
自動車税を2年以上滞納している場合は廃車にできない
自動車税は、毎年4月1日時点での車の所有者に対して課税されます。この税金の滞納が2年未満であれば、廃車後に延滞税が加算され、所有者本人であれば廃車手続きが可能です。
しかし、2年以上の滞納がある場合、嘱託保存という措置が取られるため、廃車にできない可能性があります。
車検切れ後の自動車税については自治体によって扱いが異なる
自動車税は地方税という取り扱いになっており、車を登録している自治体が所有者に対して課税する仕組みとなっています。そのため、車検が切れの車に自動車税が課税されるか保留されるかは、居住している自治体によってルールが異なります。
万が一保留となった場合でも、課税義務がなくなるわけではないため、廃車後に納税しなければなりません。
車検切れの廃車をお得に処分する方法
車検切れになった車を廃車処分する場合、ただ廃車にするだけでは、手数料などの費用がかかります。しかし、廃車買取業者に依頼すれば、手数料が無料になったり、価格は低くても買い取ってもらえるのでお得に処分できます。
インターネットで査定してみる
車検切れになった車の廃車を検討している場合、買い取ってもらえる可能性があるため、一度インターネットで査定してみることをおすすめします。
インターネット上には廃車の一括査定サイトが複数あり、簡単に査定を行うことができるので便利です。査定後に売却できることがわかったら、少しでも高く売却するために、清掃やオプションで付属されていたパーツをまとめておくなど準備をしましょう。
カーネクストに買取を依頼する
複数ある廃車買取業者の中でも、どのような状態の車でも0円以上の買取保証を約束してくれるカーネクストがおすすめです。カーネクストでは、車検が切れて走行できなくなった車でも買取を行っており、修理後は海外輸出やパーツの販売など独自の販路で再販しています。
また、レッカー代金や廃車手続きに必要な費用も無料で対応してくれるため、余分な費用がかからず安心です。
参考:カーネクスト
車検が切れた車は早めに廃車手続きを行おう
車検切れになった車は、公道を走行できないばかりか、所有している限りは税金を支払い続けなければなりません。今後、使用する可能性がある場合は一時抹消登録、使用する可能性がない場合は永久抹消登録を速やかに行いましょう。
また、ただ廃車にするだけではレッカー費用や手数料がかかる可能性があるため、メリットの多い廃車買取業者を利用し、お得に廃車処分しましょう。