盗難件数が多い車種ランキング│盗難から愛車を守る方法もご紹介!

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警察庁が発表した犯罪統計資料によると、2020年の車の盗難件数は5210件で3年連続1万件を下回り、盗難件数は減少傾向にあります。これは、自動車メーカーや車の所有者による盗難対策が実を結んだ結果であると言えます。しかし近年、盗難の手口もより高度なものへと進化しており、さらなる盗難対策が必要になりました。
こちらでは、盗難件数が多い車種のランキングや盗難の手口、盗難防止対策の方法などについて解説していきます。

【車種別】盗難件数ランキング2020

日本損害保険協会が実施した「第22回自動車盗難事故実態調査」で発表された、盗難件数が多い車種のランキングをご紹介します。

順位車種名件数
1ランドクルーザー(プラドを含む)25
2レクサスLX22
プリウス22
4レクサスLS12
5クラウン9
6アルファード5
レクサスIS5
レクサスRX5
9ハリアー4
スカイライン4
11ヴェルファイア3
ハイエース3
マーク3

※出典:日本損害保険協会「第22回自動車盗難事故実態調査」

盗難件数が最も多かったのは、トヨタのランドクルーザーです。ランドクルーザーは前年度の調査でも盗難件数が1位となっており、盗難被害に非常に遭いやすい車となっています。また、前年度の調査と比較しても3位までの顔ぶれに変化はなく、特定の車種に盗難被害が集中していると言えます。

盗難されやすい車の特徴

盗難件数ランキングの上位を占めているほとんどがトヨタ車です。トヨタ車は海外でも非常に人気が高く、高値で取引されることが多いため、狙われやすいことが考えられます。また、悪路走破性の高いランドクルーザーや、大人数で乗ることができ、荷物を大量に運搬できるようなアルファード、ハイエースなどは発展途上国での人気が非常に高く、犯人が盗んだ後に海外へ不正に輸出し、高値で売りさばく事例が多く発生しています。

盗難されやすい時間帯・場所

日本損害保険協会が実施した「第22回自動車盗難事故実態調査」では、盗難が発生した時間帯についても調査されています。これによると、深夜~朝(22時~翌9時)の盗難件数が66.5%と最も多く、暗くて見つかりにくい環境で盗難が行われる傾向にあることが分かりました。また、多くの人が寝ている時間帯ということもあり、人通りがないことなども盗難が発生しやすい理由であると考えられます。
さらに、盗難の発生場所で最も多いのは「契約駐車場(屋外)」の40.5%で、2番目に多い「自宅(屋外)」の37.3%と合わせると、77.8%が屋外での盗難となっており、深夜の屋外駐車場が最も盗難の危険性が高いと言えます。

盗難の手口

盗難防止策が講じられ、盗難件数が減少している一方で、盗難の手口は年々進化しています。現在はどのような手口で車が盗まれているのでしょうか。

車に直接侵入する

窓ガラスやキーシリンダーを破壊して車に侵入したり、窓の隙間から針金でドアを開錠して車に侵入するなどといった、いわゆるアナログな方法です。車に侵入した後は、ステアリングロックを破壊してエンジンを始動させることで、そのまま運転して車を盗むという手口です。

イモビカッター

イモビカッターとは、車の盗難防止対策として設置されているイモビライザーの機能を逆手に取った盗難の手口のことです。イモビライザーは、キーのIDと車に搭載したコンピューターのIDが合致しなければエンジンがかからない仕組みとなっており、盗難を防止する効果があります。しかし、イモビカッターは車のID情報をリセットすることができるため、異なるキーに新しく設定したIDを登録することで車のエンジンを始動させることが可能となり、そのまま運転して車を盗むという手口となっています。

リレーアタック

リレーアタックとは、新型車に搭載されているスマートキーを利用した盗難の手口のことです。スマートキーは微弱な電波を発信し、車両が高周波の電波をスマートキーに発信することでIDを照合して開錠する仕組みになっています。リレーアタックでは、スマートキーの電波が1~1.3メートル前後の範囲に及ぶことを利用し、電波を受信する役が受信した電波を中継役に送り、中継役が車を動かす役に電波を送るというリレー形式でスマートキーの電波を車に届けて開錠し、エンジンを始動させて車を盗むという手口です。

コードグラバー

コードグラバーとは、スマートキーではなく車両本体が発している電波を利用する盗難の手口のことです。車が発している電波にはイモビライザーのIDが含まれており、このIDをコードグラバーという装置で複製してスペアキーの代わりに使用することで、車を開錠してエンジンを始動させ、車を盗むという手口です。コードグラバーはスマートキーの電波に関係なく、単独でも盗難を行うことができてしまいます。

CANインベーダー

CANとは「Controller Area Network」のことで、車の内部にある電子回路や電気系の装置を接続するための通信規格の一つです。車はCANによって電子制御装置やエンジン、各種センサーなどの部品をつないでおり、全ての装置が一つの伝送路を共有しています。CANインベーダーとは、この伝送路に侵入することで開錠し、エンジンを始動させて車を盗む手口のことです。CANインベーダーは、車とキーの距離や電波受信の有無に関係なく盗難ができてしまうため、具体的な対策などもまだ見つかっていません。

愛車を盗難から守る方法

大切な愛車を盗難被害から守るためには、どのような対策をすればいいのでしょうか。盗難を防ぐ方法や盗難防止に役立つグッズなどをご紹介します。

イモビライザー

イモビライザーは、車とキーのそれぞれに登録されているIDを照合し、IDが一致した場合にのみエンジンがかかる仕組みになっています。イモビライザーの装着によって車の盗難件数は減少傾向にあったため、新型車などには標準装備が進んでいますが、年式の古い車などの場合、後付けすることが可能です。また、後付けのイモビライザーは制御本体位置を発見されづらい場所に移動することができるため、標準装備のものよりも防犯性が高いと言えます。ただし、イモビライザーは解除されてしまったり、イモビライザーの仕組みを逆手に取ったイモビカッターという盗難の手口も存在するため、注意が必要です。

ハンドルロック

ハンドルロックはハンドルを固定させることで、万が一エンジンを始動されたとしても車を動かせないようにする効果があります。ただし、力を入れるだけで簡単に取れてしまったり切断されてしまうこともあるため、ハンドルロックを選ぶ際は複製できないディンプルキー付きのものや2箇所を固定できるもの、折れにくい鋼鉄製のものなどを選ぶことをおすすめします。ハンドルロックは大きく、場所を取るというデメリットがありますが、比較的コンパクトなものや緊急脱出ハンマーとしての機能を備えた製品もあるため、自分に合ったものを選ぶようにましょう。
また、多くの車にはハンドルの内部機構にハンドルロックの機能が備わっていますが、これはエンジンを始動すると解除される仕組みになっているため、盗難防止には不向きと言えます。

タイヤロック

タイヤロックはタイヤに専用器具を装着することで、万が一エンジンを始動されたとしてもタイヤ自体を動かなくさせる効果があります。ただし、タイヤロックも取り外されてしまう恐れがあるため、複製できないディンプルキー付きのものやホイールごと覆い隠すものを選ぶことをおすすめします。タイヤロックは重くて大きいため、着脱が面倒だというデメリットがありますが、自宅での駐車や長時間車を動かさない際の使用には適しています。

ペダルロック

ペダルロックはブレーキペダルを操作できないようにすることで、万が一エンジンを始動されたとしても車を動かせないようにする効果があります。着脱の際に足元に滑り込む必要があるため装着に手間がかかるというデメリットがありますが、鍵が付いたレバーを引くだけでペダルをロックできるものなども販売されています。

ボディカバー

車にカバーをかけることで、車種を特定されることを防ぐ効果があります。窃盗犯は海外で高く売れる車種に絞って盗難することがほとんどのため、どの場所に該当の車種があるのかなどを入念に下調べしています。そのため、車種の特定を防ぐことは盗難防止に効果的です。また、カバーを外す際にガサガサという音がするため、盗難に気付きやすいというメリットもあります。ただし、車内に乗り込まれてしまった場合は、犯行の様子が周囲から見づらくなってしまうというデメリットもあります。

センサーライト

センサーライトとは、人が近づくと自動で点灯するライトのことです。ライトで明るく照らすことで、暗くて周囲から見えづらい夜間に行われやすい盗難を防ぐ効果があります。ただし、すぐにライトが切れてしまうものなどもあるため、ライトの持続時間を調整できるものを選ぶことをおすすめします。また、センターライトを数台利用し、駐車場の中の死角をなくすことなども盗難防止に効果的です。

防犯カメラ

防犯カメラを設置しておくと犯人に「監視されている」という意識を与えることができるため、盗難被害を事前に防ぐ抑止効果があります。また、万が一盗難被害に遭った場合も、犯行の様子を録画することができるため、証拠を残すことができます。近年は無線式の安価な防犯カメラも販売されているため、無線LAN経由でパソコンやスマートフォンから映像を確認することができます。ただし、こういったものは設定や電源の確保が難しいことから、設置場所が限られるなどのデメリットもあります。設置が難しい場合は、ダミーカメラなどを設置するのもいいかと思います。

カーセキュリティシステム

カーセキュリティシステムとは、ガラスの振動や不自然なドアの開閉、車両への衝撃などを感知すると異常を知らせる装置のことです。カーセキュリティシステムが作動すると不正なエンジンの始動を阻止し、クラクション音やアラーム音、ヘッドランプやハザードランプなどで異常を知らせます。車両に標準装備されているものもありますが、後付けの方が豊富な動作条件などを設定することができるため、高い防犯効果が期待できます。

GPS車両追跡サービス

セコムが提供する「ココセコム」などのGPS車両追跡サービスを利用すると、万が一車が盗難されてしまってもGPSで位置を特定し、係員が現場に急行してくれます。ココセコムは2001年4月のサービス開始以来、多くの盗難車の発見に貢献してきました。GPSがあらかじめ搭載されている車種もありますが、犯人が純正GPSを無効にしてしまう場合もあるため、犯人に見つかりにくい場所に取り付けられる後付けGPSの方が効果的であると言えます。
GPSには発信機単体だけものと、盗難後の追跡サービスを付けられるものの2種類があります。発信機単体の設置は費用を安く抑えることができますが、GPS追跡サービスを利用することで、異常監視や通知、現場への急行などの手厚いサービスを受けることができます。

スマートキーの電波を遮断する

盗難の手口の一つであるリレーアタックは、スマートキーから発される電波を利用して行われます。そのため、スマートキーの電波を遮断することで、リレーアタックを防ぐことができます。スマートキーの電波を遮断する方法には、リレーアタック防止装置の設置やスマートキーから発される微弱な電波をオフにするなどの対策がありますが、最も簡単に行えるのが、スマートキーを電波が遮断できるケースに入れるというものです。電波を遮断するポーチやケースなどを100円ショップなどで購入することができますが、金属製の缶などに入れるだけでも簡単に電波を遮断することができます。きちんと電波が遮断されているか不安な場合は、実際にケースや缶にスマートキーを入れた状態で車に近づき、ドアロックが解除できるかどうかを確認するようにしましょう。

まとめ

盗難件数が多い車種ランキングや盗難の手口、盗難を防ぐための方法などについてご紹介しました。犯人は入念な下見を行い、ターゲットを定めてから盗難を行う可能性が高いため、日頃から盗難防止対策をしっかりと行い、盗みにくい車だと認識させることが重要です。特に、犯人が狙いやすいような大きな港に近い場所に住んでいる、屋外に駐車している、盗難件数の多い車種に乗っている場合などは、盗難防止対策をできる限り行い、愛車を盗難から守りましょう。

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