車は使用するだけではなく、保有しているだけでも複数の税金がかかります。自動車税もそのひとつで、車を保有している限り、支払い続けなければなりません。どうしても車が必要なら、自動車税は必要経費といえますが、不要になっているなら余計なコストを削減するためにも、手放すことが大切です。
また、車の利用はある場合でも、一定時期で買い替えたほうがお得になるケースもあります。自動車税の支払いを考える上で、ひとつのキーワードになるのが「13年」です。新車登録から13年のタイミングで自動車税はどのように変化するのか、基本的な知識も踏まえて理解を深めましょう。
自動車税とは何か
自動車税で損をしないためには、そもそもこれはどのような税金なのかを知ることが大切です。自動車税は車に乗るには必須の費用であり、支払いを通知されるごとに特に考えず納付しているという人も多いでしょう。税金なので支払いは義務で、きちんと払うのは大切なことです。
しかし、内容を正しく理解していないと、損をする可能性もあるので気を付けましょう。賢く税金を支払うためにも、まずは基礎的な知識を身につけることが大切です。
自動車の所有者が年一回支払う税金
自動車税は車の所有者に対してかけられる税金で、支払いは1年分まとめて行わなければなりません。課税対象者が決定するのは4月1日であり、この時点で車の名義を持っている全員に、自動車税はかけられます。注意が必要なのが、車を使用していることが条件ではなく、「名義を持っている」が条件なことです。
名義付きの車の場合、たとえ数年間使用していなくても、毎年税金を払い続けなければなりません。名義の有無で課税対象が決まるので、不要なら素早く処分する、あるいは名義だけでも抹消登録することが大切です。課税対象者は4月1日時点で決まりますが、実際に支払うのは5月の中旬から下旬頃です。
このあたりで納税書が届くので、それを持って金融機関やコンビニで支払いを行います。支払った際には領収書の半券がもらえ、それが納税の証明書となるので、なくさないよう保管しておきましょう。自動車税納税証明書は、車検や廃車の際に必要になることが多いです。
また、区分は違いますが、軽自動車でも軽自動車税という自動車税とほぼ同じ税金がかけられ、これも課税要件は共通しています。
自動車税は排気量で決まる
自動車税は課税対象は一斉に決められますが、税額まで同じではありません。いくらかかるかは車によって違い、基本的には排気量に影響されると考えましょう。そもそも自動車税は、車を使用することで環境に与える悪影響を考慮し、設定されています。
つまり、環境に優しい排気量の少ない車ほ税額は安く、排気量が多いほど金額も上がります。排気量の少ない軽自動車は比較的安価ですが、大型の車になると高額になる場合もあるので注意しましょう。ただし、軽自動車は税金が安いので、廃車時の税金の還付はありません。
廃車時の自動車税還付対象となるのは普通自動車に限られるので、軽自動車を廃車する際には、タイミングに注意が必要です。税額が安いからといって、時期を考えずに処分すると、支払った税金分損をする可能性があることは覚えておきましょう。
自動車税は13年経つと増税する
自動車税は毎年支払いが必要で、かつ1年分をまとめて支払わなければなりません。車によっては高額な場合もあるので、この支払いに苦しむ人は少なくないでしょう。自動車税は車を継続して使用するには必須の費用ではありますが、実は年数に応じて税負担が上がる可能性もあるので注意が必要です。
ここでポイントとなるのが、13年というタイミングです。自動車税は新車登録時から13年が経過すると増税の対象となり、以降は増額されたまま、毎年課税されます。ただし、必ずしも税金がアップするわけではなく、条件次第では増税の対象にならない場合もあります。
13年で自動車税はどのように変化するのか、税額アップの理由やその他税金との関係について確認していきます。
13年で15%の増税
新車登録から13年が経過した車の自動車税は、15%アップとなります。これは一律の利率で、どの車も15%負担は増えるので注意が必要です。もともとの排気量が多いと税負担はかなり重くなり、支払いも苦しくなりやすいでしょう。
13年を超えると税金が高くなるのは、環境への影響が原因です。車は経年によって少しずつ劣化し、環境性能や燃費も悪くなります。
つまり、新車時は環境に優しい車でも、長く使うにつれて性能が低下して、環境へ悪影響を及ぼしやすくなるということです。13年目での増税は、環境への悪影響の分といえ、コストを上げることで買い替えを促す意図もあるようです。
エコカーは増税の対象外
普通自動車でも軽自動車でも、新車東麓から13年で15%自動車税が増額になることは共通していますが、エコカーは例外です。エコカーの場合は13年が経過しても増税の対象とならず、これまで通りの金額で自動車税が請求されます。
これは環境性能の高さが理由で、年数が経過しても環境への悪影響の度合いが小さいと考えられているからです。購入費自体は他の車よりも高くなることが多いですが、将来的なコストを見越すと、エコカーを選んだほうがコスパがよくなることもあります。
また、エコカーは13年での増税の対象にならないだけではなく、そもそも税金が安かったり、車によっては免税対象だったりもします。13年以前でも税負担は安いので、それらも踏まえるとお得に使えることは多いでしょう。
ただし、13年で15%の増税はありませんが、使用年数に応じて減税の割合が減ったり、完全免税が減税にシフトしたりということはあります。エコカー対象車といっても、区分はいくつもあり、それぞれで課税要件が違うことは理解しておきましょう。
ディーゼル車の場合は11年経過で増税
13年で自動車税が増税になるのはガソリン車で、ディーゼル車の場合は11年で増税対象となります。これは軽油を使っていて、さらに環境への悪影響が考えられるからです。
ガソリン車よりも2年早いタイミングで税負担が増えるので、ディーゼル車に乗っている場合は特に注意しなければなりません。ただし、ディーゼル車の増税は10%で、ガソリン車に比べると上がる金額はやや少ないことが特徴です。
重量税も13年経つと増税する
車を継続使用する際に必要な税金は、自動車税以外では重量税が挙げられます。これも自動車税同様、13年を超えると増税対象となるので注意が必要です。13年を超える車は基本的な維持費が高額になるので、コストが一気に跳ね上がりやすいです。
また、重量税は自動車税とは課税の方法や区分も違い、税金の内容も異なるので、それらへの理解も深めておきましょう。
重量税は新車登録時と車検時に支払う
重量税は新車登録や車検の際に支払う税金で、車の重量によって税額が決まります。軽いほど安く、重いほど高くなると考えましょう。軽自動車も同様に課税されますが、軽い分、税額は小さいです。
継続使用する場合は、車検時にまとめて支払いになるので、13年を超えたからといって、すぐに税額がアップするわけではありません。13年を超え、かつ車検を迎えたタイミングで、税負担は上昇すると考えましょう。そのため、13年目に突入していても、車検の前に手放してしまえば、増税分を支払わずに済みます。
また、重量税も自動車税と同じで、エコカー減税や免税が適用されます。減税対象車だと、両方の税金が安くなり、よりお得に使えることは覚えておきましょう。
18年経過したらさらに増税
重量税の税額引き上げは13年だけではなく、18年経過時にもあります。二段階の引き上げとなっており、通常時の50%近く負担が大きくなるので注意が必要です。以降の車検は引き上げられた税額で支払い続けなければならず、大きな負担になることも多いでしょう。
加えて、使用年数が増えると不具合も発生しやすく、メンテナンス費用も高く付きやすいです。車検時にかかる費用が跳ね上がる可能性が高いので、特に注意しなければなりません。
ただし、継続の車検は2年おきなので、税額がアップした重量税を支払うのは、厳密には19年目です。そのため、これも車検前に手放すことで、二段階引き上げられた税金を支払うのは防げます。
自動車税が上がる前に手放すのは得かを考察
ガソリン車なら13年、ディーゼル車なら11年で自動車税は増加し、以降減ることはありません。維持費がアップし、かつ13年の場合は重量税まで上がってしまいます。基本的なコストが高くなるので費用負担も大きくなるため、手放したいと考える人も多いでしょう。
確かにコストが高いなら手放して少しでも負担を抑えることが大切ですが、問題は増税前に手放してお得になるのかです。自動車税増税前に車を手放すのは本当にお得なのか、複数の視点から考察してみましょう。
維持費から考える
維持費で考えるなら、13年を超える車は増税される分、通常よりも高く付きます。そのため、手放して増税されていない車に買い替えたほうがお得でしょう。これは税負担に限ったことではなく、各種メンテナンスの費用やガソリン代を踏まえても、同じことがいえます。
古くなった車は不具合を生じやすく、メンテナンスの費用もかかりやすいです。場合によっては高額な修理が必要になることもあり、修理代が高くなり過ぎないうちに手放すことも大切です。加えて、年数が経過すると燃費性能も落ちて、ガソリン代もかかりやすくなります。
各種維持費がアップするので、継続的なコストを下げたいなら、手放して新しい車に買い替えたほうがお得でです。
安全性から考える
安全性から考えても、13年を超えた車は手放したほうがお得といえます。車は消耗、劣化することで不具合が多くなり、不具合の数に応じて安全性は低くなります。しっかりメンテナンスをすることで、不具合は解消できますが、それでも完全に直っているとは限りません。
各種パーツが劣化していて、通常より壊れやすくなっていることも多いです。いつ重大な故障が起きるとも分からず、最悪の場合だと走行中に故障する可能性もゼロではありません。
また、最近の車は安全装備が充実しており、これらが搭載されていないことから見ても、古い車の安全性は低いといえます。故障や事故のリスクなく、安全に使いたいなら、増税をきっかけと考えて、手放したほうが得になると考えられます。
買取市場での価値から考える
車を手放す際には買取に出すことも多いですが、10年以上経過した車は一気に価値が下がります。車は10年でほとんど価値がなくなるとされているため、買取に出しても値が付かないことも少なくありません。10年以上は価値減少の幅は大きくないので、どのタイミングで手放しても、売却額はそれほど変わらないでしょう。
価値が大きく変わらないなら、少なくともコストが上がる前に手放したほうが、実質の売却額は高くなってお得といえます。
自動車税の値上がりの影響を防ぐには
自動車税の値上がりは法律で定められているので、免れることはできません。長く使い続ける以上、増税されるのは仕方がなく、諦めるしかないでしょう。
しかし、値上がりの影響を小さくすることは可能で、工夫次第では負担を増やさずに車に乗り続けることはできます。影響を小さく、負担を少なくするには何が必要なのか、上手な買い替えの方法を知っておきましょう。
新車の購入費用を抑える
自動車税の値上がりによる影響を防ぐには、13年を超える前に手放し、買い替えることが基本です。この時新しく購入する車の費用を抑えることで、全体的なコストは下げられ、よりお得に車を使用できるでしょう。
買い替えの車は、新車か中古車かという選択も重要で、長く使うなら新車、短く乗り潰すなら中古車を選ぶのがおすすめです。もちろん、中古車でも年式が新しいものはあるので、比較的新しいものを買って、増税前まで乗り続けるという方法もあります。
どちらの場合でも、次回買い替えの場合も同様に、13年を超える前に手放すことを想定しておきましょう。新車を購入するなら、価格ができるだけ安いものを選ぶだけではなく、エコカー減税にも目を向けることが大切です。
多少購入費用が高くなっても、税負担が少なくなることで、結果的にお得になることもあります。コストは長期的な視野で試算することが、よりお得な買い物につながるでしょう。
高く買取をしてくれる業者を選ぶ
車を手放す際には買取に出すことが大切で、少しでも高値で売れる業者を選びましょう。同じ車でも、業者によって査定額は違い、売却の条件も異なります。10年以上経過した車は、ほとんど価値がないとみなされますが、古い車でも積極的に買い取ってくれる業者はあります。
業者の選び方次第で売却時の損得が大きく変わるので、じっくり選定して、本当に優良な業者を探すことが大切です。
廃車買取に強い廃車買取業者を選ぶ
自動車税増税ぎりぎりの車を売却するなら、廃車買取業者に依頼するのがおすすめです。廃車買取業者だと、車の買取だけではなく、処分にかかる手続きも代行してくれることが多いです。よりスムーズ、かつ好条件で車を手放しやすいので、ぜひ利用してみましょう。
通常は買取できない車も買取可能
廃車買取業者は買い取ってくれる車の幅が非常に広く、他の業者では値が付かない車も買い取ってくれることが多いです。これは販路の広さや中古パーツの販売をしていること、素材単位でリサイクルが可能なことが理由です。
ボロボロの車でも活用し、利益を得る術を持っているので、どの業者でも無価値と判断された車にも価値を見出し、値段を付けて買い取ってもらうことができます。
古い車の売却は廃車買取のカーネクストへ
古い車を売るなら、カーネクストがおすすめです。カーネクストは状態に関係なく0円以上での買取保証を行っています。古いだけではなく、ボロボロになっていても、値段を付けて買い取ってもらえるでしょう。
また、無料で車両の引き取りから廃車手続きまで代行してくれるので、処分もスムーズです。費用をかけずに車を手放し、かつ買取金額に応じて利益も得られるので、利用する価値は十分にあるでしょう。
自動車税を理解し負担を軽減しよう
自動車税は毎年支払いが必須の費用で、13年を超えると増税されます。増税されると維持費がアップし、その他複数の観点から見てもコストは高くなるので注意が必要です。増税されても同じ車を使い続けることはできますが、買い替えたほうがお得になることも多いでしょう。
税負担を減らすには、増税前に買い替えて、維持費を下げることが大切です。自動車税だけではなく、重量税といった他の税金、その他維持費も考慮して、適切なタイミングで手放し、コストを下げて車に乗り続けましょう。