近年人気を集めている車中泊ですが、どんな車でも快適に車中泊ができるわけではなく、車中泊に向いている車種・向いていない車種があります。
ここでは、車中泊に向いている車の特徴や車種をジャンル別にご紹介します。
車中泊ができる車の購入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
車中泊に適した車とは？
車中泊で注意すべきは、エコノミークラス症候群です。
エコノミークラス症候群は、長時間同じ姿勢で過ごすことで血流が悪くなり、血管内に血栓ができることで引き起こされます。
エコノミークラス症候群を防ぐためには、できるだけ車内空間が広く、手足を伸ばせる車を選ぶ必要があります。
ここからは、車中泊に適した車の特徴をさらに詳しく解説していきます。
フルフラット
シートを倒したり跳ね上げたりすることで平らなスペースを作ることができるフルフラットの車は、快適な睡眠を取るために必須です。
しかし、全てのフルフラットシートが完全に水平になるわけではなく、角度がついてしまったり、シートの凹凸が出てしまうものもあります。
シートを倒したときの水平具合などは、あらかじめ確認しておいた方がいいでしょう。
手足を伸ばせる広さがある
座席をフルフラットにして寝るスペースができたとしても、手足を伸ばすことができるかどうかで快適さが変わってきます。
自分の身長＋10cmの縦幅があると、足を伸ばして楽に寝ることができます。
身長が高い方はなかなか難しいかと思いますが、疲れを溜めた状態で運転することがないよう、できる限り寝るスペースを広くとれる車を選ぶようにしましょう。
室内高が高い
寝る際は室内高の高さはあまり関係ありませんが、シートの上に寝袋や布団を敷く際、室内高が低い車だと準備に手間取ります。
室内高が高い車だと準備がしやすく、頭をぶつける可能性も低いため安心です。
天井が高い方が圧迫感もなく過ごせるので、室内高を基準に選んでみてもいいかと思います。
荷物を置く場所が確保できる
車中泊をする際は、どうしても荷物が多くなってしまいますよね。
そのため、寝るスペースだけでなく、荷物を置くスペースも確保する必要があります。
車中泊の目的などによっても必要な荷物は異なるため、どれくらいの量の荷物を積む予定があるのかなどを考えた上で、車選びをするようにしましょう。
車中泊におすすめの車 軽自動車編
車中泊をするのに、軽自動車は狭いというイメージがある方も多いかと思います。
当然、車内空間には限りがあるため、軽自動車で車中泊ができる人数は大人二人が上限ですが、近年、軽自動車の車内空間はどんどん広くなっており、車中泊を想定して作られている車種もあります。
では、どんな軽自動車が車中泊に向いているのでしょうか。
スズキ ハスラー
ワゴンＲをベースに、175ｍｍの最低地上高を確保したスズキのハスラー。
ハスラーは、前席の背もたれを最大まで倒すとシート部分がフラットになり、後方のシートは後方に倒すか前方に倒すかを選ぶことができます。
後方に倒すパターンのシートは完全にフラットにはなりませんが、前方に倒すパターンのシートであれば、完全にフラットにすることが可能です。
前方を倒すシートでは、シートのクッション面ではなく背面の硬い面が体に接することになるため、少し寝心地は悪くなってしまいますが、クッション性のある車中泊用のマットなどを敷けば問題ありません。
ハスラーのスペック
全長 3,395 mm
全幅 1,475 mm
全高 1,680 mm
重量 810 kg
定員 4人
価格 136～174万円
ダイハツ ウェイク
ウェイクは、軽自動車最大の室内高1,455ｍｍを誇るウルトラハイトワゴンで、広大な室内スペースが特徴の軽自動車です。
泥汚れなどを水洗いで簡単に落とすことができるイージーケアフロアを車内、荷室に採用ししているため、アウトドアにも最適です。
ラゲッジスペースは自転車を折りたたまない状態で2台積み込むことができるほど広く、車中泊にも十分活用できる広さになっています。
ハスラーと同様、後方に倒すタイプのシートと前方に倒すタイプのシートから選ぶことができます。
ラゲッジスペースの床下部分には小物などを収納できるスペースもあり、荷物の置き場所もしっかり確保することができます。
ウェイクのスペック
全長 3,395ｍｍ
全幅 1,475ｍｍ
全高 1,835ｍｍ
重量 990kg
定員 4人
価格 137～187万円
ホンダ N-VAN
N-VANは「軽バン」と呼ばれる軽貨物車に分類され、本来は商用に使われる車種ですが、車中泊仕様のモデルが発表されるなど、車中泊用に購入する方も増えています。
商用車のためスペース効率がよく、後部座席や助手席を収納するような形でたたむことができるため、完全にフラットな空間を作り出すことが可能です。
シートの凹凸も少ないため、快適に睡眠を取ることができます。
荷物を置くスペースも十分にあり、左側のドアが大きく開くことで荷物の出し入れも楽に行うことができるので、アウトドアな車中泊にもぴったりです。
N-VANのスペック
全長 3,395ｍｍ
全幅 1,475ｍｍ
全高 1,945ｍｍ
重量 940kg
定員 4人
価格 129～183万円
車中泊におすすめの車 普通自動車編
普通自動車は、車中泊を視野に入れて開発されているモデルが少なく、車中泊向きの車は少なくなっています。
ただし、軽自動車よりも車体サイズは大きくなるので、車中泊に適したモデルを選べば、余裕をもって横になることができます。
ホンダ フリード＋
フリードのバリエーションモデルであるフリード＋は2列シートではありますが、リアシートを前方に倒し、付属のラゲッジボードをつなげることで、広い室内空間を実現しています。
ラゲッジボードの微妙な段差は存在しますが、普通自動車のシートの中では段差が少ないため、問題なく寝転ぶことができます。
寝るスペースの下に荷物を置くこともできるので、室内空間を効率よく使うことができます。
ただし、シートの背面が体に接することになるため、クッション性のあるマットなどを下に敷くことをおすすめします。
フリード＋のスペック
全長 4,295ｍｍ
全幅 1,695ｍｍ
全高 1,710ｍｍ
重量 1,360kg
定員 5人
価格 218～263万円
車中泊におすすめの車 ミニバン編
ミニバンは車内空間が広いため、車中泊に比較的向いていると言えます。
しかし、2列目のシートが2人がけの車だと、シートの間に隙間が空いてしまいます。
大人2人ではなく、子どもと3人で寝る場合などは、2列目のシートが3人がけのモデルを選ぶ方が、シートの隙間を気にすることなく寝ることができます。
トヨタ ノア / ヴォクシー
ノアとヴォクシーは販売店の系列によって若干デザインが異なりますが、基本的には同じ車種になっています。
ノアとヴォクシーは低床プラットフォームで広い室内を実現しており、車中泊をするのにも十分なスペースを確保することができます。
3列目のシートは完全に水平にはなりませんが、3列目にシートに寄りかかることで、問題なく睡眠を取ることができます。
ノア / ヴォクシーのスペック
全長 4,695ｍｍ
全幅 1,695ｍｍ
全高 1,825ｍｍ
重量 1,570kg
定員 7～8人
価格 255～330万円
日産 セレナ
セレナは、高速道路上での自動運転を実現した「プロパイロット」や、ハイブリッド車には駆動を電気モーターで行う「e-POWER」などの最新機能が搭載されたミニバンです。
セレナのハイブリッド車は2列目が2人乗りとなるため、シートを倒す際にどうしても間に隙間が空いてしまいますが、ガソリン車は2列目のシートを横にスライドする仕様になっているため隙間が生まれません。
また、3列目のシートまで倒すことができるため、フラットな空間をより広く確保することができます。
セレナは車中泊仕様車「マルチベッド」の販売を開始しており、こちらは2列シート・5人乗りのシートに収納式のベッドシステムが装備されています。
マルチベッドであれば、荷物をベッド下に収納することもできるので、荷物を置くスペースに困ることもありません。
セレナのスペック
全長 4,685mm
全幅 1,695ｍｍ
全高 1,865ｍｍ
重量 1,650kg
定員 8人
価格 257～335万円
ホンダ ステップワゴン
ステップワゴンは、2列目のシートと3列目のシートを倒せばフルフラットになり、3列目のシートは床下に簡単に収納することができるので、2列目のシートを前方に移動させ、空間を広くとることができます。
シートの凹凸も他の車と比べると少ないですが、シートにクッション性はないため、下に敷くものは用意しておいた方がいいでしょう。
広大な室内空間に加え、わくわくゲートと呼ばれるバックドアで後部からの乗り降りを簡単に行うことができ、アウトドア派の方にもおすすめです。
ステップワゴンのスペック
全長 4,690mm
全幅 1,695ｍｍ
全高 1,840ｍｍ
重量 1,660kg
定員 7人
価格 271～443万円
車中泊におすすめの車 SUV編
SUVはアウトドアのイメージが強いですが、シートを倒してもフルフラットにならない車がほとんどです。
ラゲッジスペースはあくまでも荷物を積む用のものとして設計されているため、シートを倒してもどうしても段差ができてしまい、快適に寝ることが難しくなっています。
車中泊ができるSUV車を選ぶ場合は、できるだけシートを倒したときに角度がつかないものを選びましょう。
日産 エクストレイル
アウトドアに使いやすいと評判のSUV、エクストレイルは、リアシートを前方に倒すと広いスペースを確保することができます。
シートを倒した際の角度も比較的緩やかなので、車中泊しやすいSUVだと言えるでしょう。
前席を前にスライドさせて2列目のシートを倒して足を伸ばし、3列目のシートに寄りかかることで寝るスペースを作ることができます。
エクストレイルのスペック
全長 4,690mm
全幅 1,820ｍｍ
全高 1,740ｍｍ
重量 1,520kg
定員 5人
価格 248～377万円
三菱 アウトランダー
アウトランダーは、SUVの中でも室内スペースが広くなっています。
さらに、アウトランダーPHEVは「1500W AC電源」と「V2機器接続」の2種類の給電機能があるため、電化製品に直接給電することができます。
アウトドアにも活用できる他、災害時に発電機としても使用することができます。
アウトランダーのスペック
全長 4,695ｍｍ
全幅 1,810ｍｍ
全高 1,710ｍｍ
重量 1,500kg
定員 7人
価格 272～342万円（PHEVは393～529万円）
スバル フォレスター
フォレスターは悪路の走行を得意としていることから、アウトドア好きなユーザーからの支持が高く、車中泊できるスペースを持つSUVです。
リアシートを前方に倒して作るスペースは、完全にフラットにすることはできませんが、SUVの中ではシートの角度は緩めになっています。
また、リアハッチを空けた際の開口部が拡大されており、縁の部分にも段差がないため、荷物の出し入れがしやすくなっています。
フォレスターのスペック
全長 4,625ｍｍ
全幅 1,815ｍｍ
全高 1,715ｍｍ
重量 1,520kg
定員 5人
価格 286～317万円
まとめ
近年、人気が高まっている車中泊。
頻繁に車中泊をする方は、車の買い替えの際、車中泊に向いているかどうかを基準にして車を選んでみてもいいかと思います。
この記事を参考に、車中泊にぴったりな車を見つけてもらえればと思います。
買い替えを検討している方は、ディーラーに下取りに出すよりも、廃車買取業者に車を買い取ってもらう方がお得になる可能性が高いです。
ガリバーやカーネクストなどの廃車買取を行っている業者は、海外に販路を持ち、高価買取ができる可能性も高いので、一度査定に出してみてはいかがでしょうか。
