車中泊、どんなことに注意すべき?

近年、車の中で寝泊まりをする車中泊が注目を集めています。
旅行やキャンプをマイペースに楽しむことができ、宿泊施設を利用しないため、金銭面でもメリットがあります。また、車内泊は旅を楽しむためだけでなく、災害時の避難手段として用いられることもあります。

ここでは、車内泊をする上で知っておきたいマナーや注意点、用意しておいた方がいいものなどについて解説していきます。車内泊を考えている方はもちろん、いざというときのために参考にしていただければと思います。

車中泊で守るべきマナーとは?

車中泊をする際に気を付けるべきマナーについてご紹介します。
周りの人の迷惑にならないよう、マナーを守って車中泊を楽しみましょう。

アイドリングをしない

車中泊では、車内でのエアコンの使用や電力確保のため、アイドリングをしてしまいがちかと思います。
しかし、SAやPA、道の駅などは公共の場所であるため、アイドリングは原則禁止となっています。
一晩中エンジンをかけっぱなしにしていると、騒音問題にもつながります。
駐車をしたら、速やかにエンジンを止めるようにしましょう。

キャンプ行為はしない

PAやSA、道の駅でキャンプ行為をすることは禁止です。
車外に椅子やテーブルを出しての調理や飲食、洗濯などは絶対にやめましょう。駐車場は、あくまでも駐車をするためのスペースです。夜中に車外で騒ぐなどといった行為もやめましょう。

駐車する場所に気を付ける

SAやPA、道の駅などを利用する際は、駐車する場所にも気を付けたいところです。
車いすマークのスペースには駐車しないようにしましょう。また、施設の入り口付近やトイレ、自動販売機の目の前のスペースは、人の出入りが多い場所になります。
人の出入りを妨げることがないよう、そういった場所への駐車は避けるようにしましょう。

中には、一定時間内の駐車のみを認めている駐車場も存在します。
そういった駐車場に長時間駐車すると、罰金や法的措置が科される可能性もあります。
警備員や警察に職務質問を受けたり車の移動を促されることもあるため、駐車する際は立て札や張り紙、看板などに長時間の駐車に関する注意書きがないなどを確認するようにしましょう。

盗電しない

許可なく公共の電源を使用することは犯罪です。
車中泊のマナー違反で多いのは、トイレや自動販売機などのコンセントでスマートフォンを充電するといった行為です。また、ポータブル発電機を早朝や夜中に使うことも、騒音問題につながるため控えましょう。
電源が必要な場合は、RVパークなどのサービス利用者向けの電源が設置されている施設を利用するようにしましょう。

水の使い方に気を付ける

炊事や洗濯をPAやSA、道の駅で行うこと自体がマナー違反ですが、そういったことにトイレや施設内の水道水を使うのはやめましょう。トイレなどの水道で、食器や体を洗うなどといった行為も当然マナー違反です。
また、トイレや施設内の洗面に、汚水や食べ残しを流すことも絶対にやめましょう。

ゴミの捨て方に気を付ける

SAやPA、道の駅のゴミ箱は本来、施設の利用中に出たゴミを捨てるためのものです。
車中泊などで溜まったゴミは、こういった場所に捨てるのではなく、持ち帰るのがマナーです。

連泊はしない

SAやPAでは、基本的に休憩や仮眠は認められていますが、長時間の駐車は禁止されています。
駐車場の台数などは限られているため、留め置きや連泊はマナー違反になります。
連泊や長期滞在したい場合は、RVパークやオートキャンプ場などの施設を利用するようにしましょう。

車中泊の注意点

宿泊施設ではなく車内で寝泊まりをする車中泊には、危険が伴うこともあります。
ここでは、車中泊で注意しておきたい点について詳しく解説していきます。

防犯対策はしっかりと

車と外を隔てるものはドア1枚しかなく、外から簡単に人が近づくことができてしまいます。
宿泊施設やキャンプ場に比べると、車内泊はどうしても無防備になってしまうため、防犯対策はしっかり行う必要があります。
下記のような対策は、車中泊をする上で必須です。

  • 安全そうな場所を選ぶ
  • 全てのドアを必ずロックする
  • 車中が外から見えないようにする
  • 貴重品は隠しておく

あまり人気のない場所や真っ暗な場所、治安が悪そうな場所は避けるようにしましょう。
外の様子がおかしいと感じたら、すぐに他の場所へ移動してください。

トイレや洗面が不便

車中泊で不便を感じやすいのは、トイレや洗面などの設備がないことではないでしょうか。
トイレに行きたくなったらトイレがある公園やSA、PAなどを探す必要があり、夜中は安全面でも注意が必要です。
近くにトイレや水がないことも想定し、携帯用トイレや水は準備しておくことをおすすめします。
お風呂は、現地の日帰り温泉や銭湯などを利用するのが一番いいかと思います。

エコノミークラス症候群

飛行機のイメージが強いエコノミークラス症候群ですが、車中泊にもエコノミー症候群のリスクは潜んでいます。
狭い場所に長時間同じ姿勢でいると足の血流が悪くなり、血管内に血栓ができることで、エコノミークラス症候群を引き起こします。

エコノミークラス症候群の主な症状は下記のとおりです。

  • 太ももから脚にかけて皮膚が赤くなる
  • 脚が痛み出し、膨れあがる
  • 胸の痛み
  • 息切れ
  • 呼吸困難
  • 失神

これらの症状が現れた場合はすぐに救急車を呼び、医療機関にて適切な処置を行ってもらう必要があります。

エコノミークラス症候群を防ぐため、車中泊をする際はでき限り足を伸ばし、横になって寝るようにしましょう。ベルトなどの体を締め付けるものは緩め、水分をこまめに取ることも重要です。

寝心地が悪い

車内泊は宿泊施設とは違い、ベッドや布団で眠ることはできないため、どうしても寝心地は悪くなってしまいます。シートを倒したとしてもどうしても段差ができてしまうため、車内ではフラットな状態を作ることが難しいです。
段差の隙間にタオルを埋めたり、車内泊専用のマットなどを利用するといいでしょう。

しっかり眠ることができなければ、運転に支障をきたしてしまう恐れもあります。
できる限り快適な寝床を作るようにしましょう。

寒暖の対策が必要

お話ししたとおり、車中泊でエンジンをかけっぱなしにすることはマナー違反にあたります。
しかし、エアコンが切れた車内は夏は暑く、冬は寒くなりますよね。車の中だから大丈夫だと軽く考えず、夏は熱中症対策や虫対策、冬は寒さ対策などをしっかり行い、暑さや寒さを感じにくい場所に駐車するようにしましょう。

あまりにも気温が高かったり低かったりする場合は、車内泊を諦めるという判断をすることも大切です。車中泊が原因で体調を壊してしまうことがないようにしましょう。

車中泊で準備しておきたいアイテム

車中泊でのマナーや注意点についてお話ししました。
これらのことを意識して車中泊を行うためには、準備しておきたいアイテムがいくつかあります。
快適な車内泊のために、ご紹介するアイテムはできる限り用意しておくことが望ましいです。

コンパクト防犯スプレー

車内泊を安全に楽しむためには、防犯対策は必須です。
一般的な防犯アイテムに多い音が出るタイプのものだと、近くに助けてくれるような人がいない場合、意味がありません。
車外に出る時も持ち歩けるような、コンパクトなものをおすすめします。
コンパクト防犯スプレーは何かあった時に逃げる時間を確保できるよう、準備しておくと安心です。

カーテンやシェード

外から車内を覗くことができないようにするため、カーテンやシェードは用意しておいた方がいいでしょう。
睡眠時の防犯はもちろん、着替えなどの際にも必ず必要になります。
車種別に専用の防音・防水・防寒対策がされているものも販売されているため、快適な車内環境を作ることにも役立ちます。

車内泊マット

車のシートは段差があるため、シートを倒した状態で快適な睡眠を取ることは難しいです。
車内泊マットはクッション性や防寒性に優れているため、車内泊マットを使用することで、車内でも快適に眠ることができます。
車内泊マットではなく、エアーマットの上に布団や寝袋などを敷くのもいいでしょう。

まとめ

近年人気の車内泊は、いつもの旅行とは違った気分を味わうことができ、金銭面でも負担が少なくなります。しかし、注意すべきことや守るべきマナーも存在しているため、準備や下調べをしっかり行うようにしましょう。
きちんと準備を行えば、快適に車内泊を楽しむことができます。この記事の内容を踏まえた上で、車内泊を楽しみましょう!