せっかく新車を購入したのに、停車中に追突されてしまい車が傷ついてしまった。この場合は、どこまで補償をしてくれるのか、気になります。新車が事故に遭ってしまったときに、どのような対応をすればよいのかを学んでいきます。
新車が事故に遭ってしまった場合
事故に遭ってしまい、こちら側に非がなければどのくらい補償してくれるのでしょうか。また「評価損」は、はたして請求できるのかを見ていきましょう。
新車が追突されても交換されることはない
新車が事故に遭ってしまい、この先どのようにしていくかという前に、新車の定義を知っておきましょう。そもそも新車というのは、ナンバープレートが付いていない状態を指します。登録が完了し、ナンバープレートが付いた時点で中古車となってしまうのです。
そのため、新しい車が追突され事故に合い、修理代が支払われることはあっても、交換されることはないということを頭に入れておいてください。
新車で事故を起こしたら「評価損」を請求してみよう
事故に遭ってしまった新車を交換できないとなると、修理するしか方法はありません。修理代を相手側が出したとしても、その車は事故車として価値が下がることとなるのです。
修理して価値が下がったことに対する損害を請求する
「格落ち」を正式名称では「評価損」と言います。評価損で相手に交渉するには、新車に近い状態が好ましいのです。評価損の主な条件は4つありますがこちらは例であり、必ずしも条件に当てはまっている必要はありません。
- 新車としての登録が約1年以内である
- 走行距離が10,000km以内であること
- 骨格(フレーム)に損害があること
- マニアに人気のプレミアムカーや高級車であれば認定されやすい
評価損の金額の計算方法は明確に決まっていない
過去の裁判例を見ても、計算方法はさまざまあります。評価損についての賠償請求は、高い金額が算出される方法で金額を決定して請求するのが一般的となっています。以下のことを参考にして算出してみてください。
- 事故前の車の価格から修理後の車の価格を控除する方法
- 事故前の車の価格の数%とする方法
- 修理費の数%とする方法
過去の裁判では比較的に最後の方法を用いることが多く、修理費の30%程度の金額を認めることが多いです。
必ずしも請求が通るわけではない
評価損は必ずしも、認められるわけではなく、裁判でも否定した裁判例があるほどです。また、保険会社の対応も、決して快いものではないということも頭に入れておきましょう。
評価損への保険会社の抵抗が激しく、裁判を起こせば認められるような案件でも、なかなか認めてくれない場合が多いのです。たとえ認めたとしても、事故に遭った車が購入から1カ月以内とされているものもあります。
評価損を認めさせる交渉テクニック
新車をぶつけられた怒りは分かりますが、交渉中は理論と立証をもって冷静に行うことが重要なポイントとなります。口頭での交渉よりも書面での請求のほうが、効果的ということもあります。
評価損は保険会社が激しく抵抗をしてきますので、交渉によって勝ち取るのはかなり難しいでしょう。しかし、被害に遭った側が立証しないとなにも始まりません。以下のようなことを保険会社から言われた場合、対処法を知っておきましょう。
保険会社の対応 | 対処法 |
---|---|
「6カ月以内に購入したもの・3,000km以内の車」など車に基準を根拠として主張 | 社内基準というものを書面にて提示してもらう |
売買取引で価値は下がらないから大丈夫と | 外観上や機能回復さえしていれば、売買取引で価値は下がらないということを説明してもらう |
裁判起こしても勝てるわけがない | 自分と似たような条件で、評価額が認められた例を探して提示する |
保険会社の担当者によっては横柄な態度をとってきたり、らちが明かなかったとしても、このくらい深く突いておけば「検討します」と態度を改めてくるでしょう。保険会社と戦うためには、事前に下調べをしておくことも大切です。
新車で事故に遭ったときのために事前にできること
いざというときのために、事前にしておいたほうがよい「新車特約と弁護士特約」について学んでいきましょう。
新車特約に入っておく
新車特約とは、自己で車が全損または半損した場合に、新車を買う際の費用を補填してくれる特約のことを言います。しかし、全損または半損になっていることが条件になるので、事故に合ったからと言って必ずしも特約が下りるわけではないのです。車の全損と半損は、どのようなことを表すのか見ていきましょう。
全損 | 車の修理が不可能となってしまった状態 修理費が車両保険の保険以上となってしまった状態 車が盗難に遭ってしまい発見できない状態 |
半損 | 新車価格が300万円の場合に、修理費が150万円にも及んでしまった状態 損害は車体の本質的構造部分に著しい損害が生じている場合のみ |
詳細は各保険会社に問い合わせる必要がありますが、これらを参考にしてみてください。
弁護士特約に入っておく
契約の際に「保険金を支払う場合」という欄があり、どのような場面で弁護士特約が使用できるのか記載されています。各保険会社によって違いますが「身体の障害・財物の損壊」などで記載されています。弁護士特約に入っていれば、事故に遭ったときも使えるのです。
弁護士特約は、人身事故などの大きな事故よりも物損事故の場合のほうがメリットが大きいのが特徴です。追突事故や貰い事故、当て逃げなどに弁護士費用特約は威力を発揮します。面倒な対応や、解決が難しい問題も行ってくれるでしょう。
新車を廃車にすることになったら廃車に特化した買取業者に依頼
買ったばかりの新車が事故によって廃車しなくてはならなくなった場合、廃車に特化した業者に買取をしてもらうことをおすすめします。
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参考:カーネクスト
新車がもし事故に遭っても冷静に対処しよう
自分の乗っている車が事故に遭ってしまったらパニックになってしまいがちですが、相手側に怒鳴りつけることは避けてください。冷静に対処することで、この先のやらなくてはならないことが見えてくるからです。ヘタにこちらが下手に出るということも、こちらが悪いような状況を作ってしまうため止めましょう。