車の故障には数多くの種類がありますが、中でも特に厄介なのが冠水です。車は水に弱く、冠水すると大きなダメージを受けることも少なくありません。冠水車はどのような状態にあるのかを知り、修理か売却処分の意思決定も正しく行いましょう。
冠水した車は危険
第一に知っておきたいのが、冠水した車はダメージが大きく、大幅に損傷しているだけに危険が潜んでいる可能性が高いということです。通常の故障でも性能が落ちたり、耐久性が下がったりとリスクはありますが、冠水の場合はさらに高い危険性を秘めています。
間違った理解を持って冠水車を使用し続けていると、取り返しのつかない事故に繋がる可能性もあります。冠水車は危険であるということを正しく理解し、実際にどのようなリスクが潜んでいるのか、詳細まで把握しておきましょう。
電気系統の故障
車には電気部品が数多く搭載されており、冠水することでこれらが故障します。電気系統が故障すると、エンジンが無事でも走ることができなくなります。電気系統の部品に水濡れは大敵であり、エアコンからバッテリーまで、全てが故障して車として全く機能しなくなることも多いでしょう。
また、電気系統が故障しているのに、無理に動かそうとすると回路がショートして発火する恐れもあります。車にはガソリンが積まれているので、発火して火が広がると、引火して爆発する危険性すらあります。
電気系統のトラブルは見た目だけでは分からないので、冠水して電気が付かないなら、その時点で使用は控えましょう。
エンジントラブル
電気系統は無事でも、エンジンが水濡れすることで使い物にならなくなる場合もあります。エンジントラブルは軽度から重度まで幅が広いですが、軽度な故障でエンジンがかかる場合は特に注意しなければなりません。
冠水した車でも程度によっては問題なく走行できるケースもありますが、実はエンジン内部に水が溜まって、不具合を起こしていることもあります。不具合を起こしたまま走行を続けていると、エンジンが焼き付きを起こし、オーバーヒートして突然使えなくなる可能性もゼロではありません。
また、温度が上がり過ぎて、エンジンから発火する恐れもあります。電気系統の故障と同様に、エンジントラブルも大きな二次被害を引き起こす危険性を秘めています。エンジンに少しでも水がかかっているなら、使用は控えてプロに状態を確認してもらったほうがよいでしょう。
海水は特にダメージが大きい
冠水の場合は、水の種類にも注意しなければなりません。雨水や川の水といった淡水なら、被害はそれほど大きくなりませんが、海水の場合は注意が必要です。車は水だけではなく、塩にも弱く、海水で冠水すると内部からサビが発生する危険性があります。
サビは放っておくとどんどん広がり、腐食して部品に穴を開けることもあります。冠水被害がそれほどひどくない場合でも、海水の場合は思わぬところが被害を受けていることがあるので注意しましょう。
特に足回りは気づきづらいポイントなので、冠水被害の疑いがあるなら、一度車全体を入念にチェックすることが大切です。
どの程度の冠水なら車として機能する?
冠水によるダメージは大きいですが、多少水に濡れたからといって、必ずしも故障や不具合をきたすわけではありません。雨の日に走行しても問題がないように、水に濡れる範囲次第では、冠水しても車としての機能を損なわない場合もあります。
冠水時の目安になるのが、地面から約30cmのラインで、これより上に水が入っているなら、何らかの不具合を抱えている可能性が高いと考えましょう。これはマフラーに水が入る高さであり、マフラーから浸水すると排気が上手くいかず、エンジンにダメージを与えてしまうことが多いです。
マフラーの高さは車によって違うので、浸水の程度がマフラーの下か上かで、車の状態をチェックする目安にしてもよいでしょう。
冠水車は修理するか売却するか
車が冠水してしまった場合は、修理して継続使用するのか、売却で処分するのかを決めなければなりません。冠水被害は車に重度のダメージを及ぼしますが、程度によっては修理で対応できることもあります。
売却して買い替えとなると、かなりの費用が必要になるので、修理代と比較検討して、車の処分を決めることが大切です。
保険の適用を確認
冠水した場合は、まずは保険が使えるかどうかを確認しましょう。冠水の修理は高額になりやすいので、保険が適用できないなら売却したほうがお得になる場合が多いです。そもそも車両保険に加入していないなら、売却による処分を選びましょう。
車両保険に加入している場合でも、保険の内容と引き出せる金額、補償分を差し引いた自己負担の額が重要です。大雨や洪水などによって冠水した場合は、車両保険の適用対象です。いくら補償されるかを確認し、自己負担がほとんどないなら修理してもよいでしょう。
同じ自然災害でも、津波によって冠水した場合は、特約に加入していない限り適用の対象とはなりません。車両保険に加入している場合でも、まずは保険が使えるかを確認することが大切です。
車の状態もチェック
冠水車は大きなダメージが残っていることが多いので、車の状態は必ずチェックしておきましょう。特に重視すべきは電気系統の状態で、ここが故障しているなら修理は諦めたほうが賢明です。電気系統は一度故障すると、修理して不具合が残り続けます。
修理後もいつ不具合が再発するとも分からないので、注意が必要です。また、電気系統以外が故障している場合でも、故障の程度があまりにひどいなら、修理しても劣化した状態からは戻りません。高い費用をかけて劣化したまま使い続けるのはメリットが薄く、売却で処分したほうがお得でしょう。
廃車買取を利用しよう
冠水車は状態が悪いものが多いことから、中古車市場では敬遠される存在で、買取を拒否されることもあります。査定に出しても全く値が付かないということもありますが、廃車買取業者なら価値を見出してくれることが多いです。
カーネクストは冠水車でも買取
カーネクストはどのような車も0円以上の買取保証をしており、冠水車でも価値を見出してくれます。自走できなくてもパーツ単位で見て査定をしてくれるので、使える部品次第では高額査定も期待できるでしょう。
また、売却時の車両引き取りも無料で行ってくれるので、動かすと危ない状態の冠水車でも、スムーズに処分できます。
冠水車の継続使用はリスクが高い
冠水は故障の中でも車に残すダメージが大きく、修理しても完全に直らないことが多いです。冠水車を継続して使用するのは危険なので、基本的には売却して処分したほうがよいでしょう。
廃車買取業者なら、冠水車でも価値を見出してプラス査定を付けてくれます。処分するしかない車も、まずは査定に出して、少しでもお得に手放すことを考えましょう。