エンジンは車の心臓部で、これが故障すると車は動きません。エンジンの故障を車の寿命と捉え、処分を検討する人も多いかもしれませんが、問題はエンジンそのものの寿命がどれくらい持つかです。寿命の目安を正しく知り、エンジンの状態から車の処分を上手に決めましょう。
エンジンの寿命のよくある間違い
エンジンの寿命については、通説で言われていることが数多くあります。しかし、それらは全て信用できるとは限らず、中には誤った情報も混ざっているので注意しなければなりません。エンジン寿命で間違いやすいポイントとは何か、2点に絞って把握しておきましょう。
エンジンの寿命の年数は10年
よく車そのものやエンジンの寿命は10年と言われますが、一概にそうとは限りません。10年が目安にされているのは昔の車の話で、現在の車では当てはまらないことが多いでしょう。現在の車は技術の進歩によって高品質のものが増えており、10年以上問題なく走れる車も多く存在します。
そもそも新車登録から13年で税金が増額というように、法律の制度自体も10年以上走れることを想定している以上、10年で絶対に潰れるということはないでしょう。使用年数が増えるごとに故障や劣化の可能性は高まりますが、絶対的に10年が寿命でないことは、頭に入れておかなければなりません。
走行距離が10万kmでエンジンの寿命
経過年数と同様に、走行距離も車の寿命を測る指標のひとつです。走行距離は10万kmがエンジンの寿命と言わることが多いですが、これも鵜呑みにするのは危険です。確かに長く走った車はエンジンの劣化も進みますが、メンテナンス次第で10万kmを優に超えて走る車は多く存在します。
エンジン周りの消耗品は交換しなければならないことも多いですが、それさえ行うならエンジン自体が使えなくなるわけではありません。10万kmは劣化の具合を示す指標ではあるものの、寿命ではないことは覚えておきましょう。
メンテ次第でエンジンに寿命はない?
経過年数、走行距離ともにエンジン寿命を測る指標ですが、実際の状態はこれらだけで判断できるわけではありません。エンジンがどの程度劣化するかは、メンテナンス状況による影響が非常に大きいです。
どのような車もメンテナンス次第で長く使うことは可能ですし、反対にほとんど手を加えていないと、通説以下の基準で故障することもあります。つまり、メンテナンスさえしていれば、寿命はなく、どこまでも使えると思えますが、実際には寿命はあるのでしょうか。
パーツ交換を続ければエンジンは動き続ける
大前提として知っておきたいのが、パーツ交換を行う限り、基本的にエンジンは動き続けます。エンジンは複数のパーツで構成されており、それらを交換し続けることで、車は動かせます。
どうしてもパーツ交換や修理ができない場合は、エンジンを丸ごと新しいものに載せ替えるという方法もありますし、パーツがあれば寿命は来ないとも考えられます。
ただし、年数が経過する、あるいは走行距離が伸びるごとに劣化は進みやすく、パーツ交換が必要な部位、頻度は増えます。メンテナンスに手間や費用がかかりやすいものの、それさえ惜しまないなら、寿命はないに等しいといえるでしょう。
交換パーツが無くなったときが本当の寿命
エンジンの寿命を考える上では、極端に言えば交換パーツがある以上、寿命はないことになります。つまり、交換パーツがなくなった時点が、本当の意味での寿命といえるでしょう。車は常に新しいモデルが開発・発売されており、古いモデルはどこかの段階で製造中止となります。
製造がストップすると、当然パーツの供給も止まり、市場に出回っているものが全て使われている、あるいは故障するとパーツ交換による対応はできません。世の中から交換パーツが完全になくなるというケースはかなり稀ですが、古い車だとパーツは存在していても手に入らないことも多いでしょう。
メーカーの供給がストップしてパーツが新たに製造されない、あるいは市場流通量が減って、入手できなくなった時点が、本当の意味での寿命といえます。
エンジンの寿命を判断する方法
エンジン寿命を拡大解釈するなら、交換パーツが手に入らなくなった時点ですが、必ずしもそこまで乗り続けるのがお得とは限りません。
パーツ交換を繰り返して乗り続けるのはよいことですが、それではコストがかかり過ぎて、買い替えたほうがお得ということもあるでしょう。実際的に寿命を判断する上では、何を基準にすればよいのか、おすすめのポイントは2つ挙げられます。
将来のメンテ費用と買い替え費用を天秤にかける
エンジンの寿命を判断するには、将来的にかかるメンテナンスの費用と、買い替え費用を天秤にかけましょう。買い替えのほうがお得と判断した時点もエンジンの寿命と言え、そのまま処分したほうが経済的にプラスになります。
パーツ交換で使い続けられるものの、エンジン関係は部品代が高く、費用も馬鹿になりません。タイミングベルトだけでも、数十万円かかることが多く、その他費用を考えると、新車を買えるくらいのコストになることもあります。
使用を続けるとメンテナンス費用はどんどん増えることも頭に入れ、将来的な増加率を考慮して、早めに決断を下すことが大切です。
エンジンの種類と故障しやすくなる目安
エンジンの種類は、大きく「ディーゼルエンジン」と「ターボエンジン」の2つに分けられます。ディーゼルエンジンは15万km、ターボエンジンは10万kmが故障しやすい目安で、これらの距離に達した場合も、処分を検討するとよいでしょう。
目安の距離に達した時点ですぐに使えなくなるわけではありませんが、不具合が出やすいのは確かです。これ以降はメンテナンスの費用もかかりやすくなりますし、調子が悪いと感じたなら、一度処分を検討してもよいでしょう。
エンジンの寿命がきた車を手放す方法
買い替えにしても単に処分するにしても、寿命が来たなら車は手放さなければなりません。車は持っているだけでもコストがかかるため、早めに処分することが大切です。
しかし、エンジンの状態が悪いと価値がないと判断され、通常の買取や下取りでは値が付かない、あるいは反対に処分にかかる費用を請求されることもあるでしょう。エンジンの寿命を迎えた車をお得に手放すには、方法を工夫しなければなりません。
廃車買取業者の利用で解体費用を節約
状態の悪い車を手放すなら、廃車買取業者がおすすめです。廃車買取業者は、下取りを行うディーラーや通常の買取業者とは違って、どれだけ状態が悪くてもどこかに価値を見出し、買い取ってくれます。
ボロボロでも素材としての価値を見出し、買取対応で解体までしてくれるので、処分にかかる費用を節約できるでしょう。
廃車買取業者のおすすめはカーネクスト
カーネクストは、故障車や不動車でも0円以上で買取をしてくれるので、エンジンが寿命を迎えていても問題はありません。
少なからず値を付けてもらえますし、無料で車両引き取りもしてくれるので、動かせない場合でもスムーズに処分できるでしょう。加えて、廃車手続きの代行まで無料でやってもらえるので、処分時の費用もかからずお得に手放せます。
参考:カーネクスト
エンジンの寿命はメンテ費用と相談して判断
エンジンには明確な寿命はなく、パーツ交換ができるうちは、いつまでも使い続けられます。しかし、パーツ交換には高い費用がかかるので、メンテナンス費用と相談し、どこを寿命とするか自分で決めることが大切です。
少なくとも買い替えの費用よりは高く付かないよう、上手に区切りをつけて、少しでもお得に手放せるうちに賢く処分しましょう。