中古車を見るときその程度を表す基準として、いつ製造されたのかという「年式」と今までどれくらいの距離を走ったかという「走行距離」があります。車も機械である以上使える限界があり、乗れば乗るほどそれに近づいていくためです。
よく「車の寿命は走行距離10万km」といわれますが、車の寿命は走行距離だけで表せるものなのでしょうか。ここでは走行距離と寿命の関係、およびその根拠について解説します。
走行距離10万キロが寿命の2つの理由
「車の寿命は走行距離10万km」と言われるのには、大きく2つの理由があります。
10万キロでメーカーの保障切れ
日本の自動車メーカー各社は、エンジンを含めた重要な部品の保証(特別保証)を、新車登録から10万kmまで、もしくは5年以内としています。それ以上ではメーカーとして品質を保証できないというわけです。しかし、最近ではそれ以上、海外でも20万km、30万km以上乗る人もいることを考えると、費用はともかく部品を交換し続ければ半永久的に乗ることもできます。
しかし、日本の自動車メーカーの多くは、部品の供給を15年程度としており、それ以上は供給をストップします。自ずと在庫限りとなって価値は上がり、部品の価格は上昇し続けます。その最後の一つがなくなれば交換不能、それ以前でも修理費用が高額になるため概ね10万kmが基準となったと考えられます。
10万キロ走行するころに税金アップ
一般的な自動車の年間走行距離は平均で5,000km〜1万km程度。10万kmに達するには十数年かかる計算になります。現在の制度では、自動車税や自動車重量税は新車登録から13年を境に税率がアップし、納める税金が約15%〜39%程度増えます。特に思い入れがない限りこのときに買い換えるケースは多く、そういう意味でも「10万km」が基準となっているようです。
メンテをすれば走行距離は40万キロを超える
世の中にある普通乗用車で最も走行距離が長いのはおそらくタクシーでしょう。タクシーは人を乗せて走るだけでなく、利用客を求めて常に走り続けているため、寿命となる走行距離は40万kmを超えることも珍しくありません。ただしこれは、長距離走るため日々こまめにメンテナンスされているからこその長寿命だと言えます。
また海外では、日本車が特別なメンテナンスなしで走行距離20万〜30万kmに及ぶこともあります。これらの事実から日本車の通常使用での寿命は、やはり走行距離20万km以上、メンテナンス次第で40万km以上にもなり得ることがわかります。
走行距離とメンテ費用で寿命を決めよう
車の各部品は、走行距離や走行状況によって劣化するのは間違いありません。走行距離を目安に、こまめに点検して状態を確認し、ある程度の費用をかけてメンテナンスすることで寿命を延ばすことができます。
走行状況でも費用が変わるエンジンオイル
新車を買うときも、半年ごとのオイル交換を勧められます。オイル交換は、車のタイプによって適切な交換時期が異なります。ガソリン車(普通車・軽自動車)なら走行距離1万5,000kmまたは1年ごと、ガソリンターボ車なら走行距離5,000kmまたは6カ月ごと、ディーゼル車は走行距離1万kmまたは1年ごとが目安とされています。
また走行する道の状態によっても変わります。悪路走行が多い場合や、アップダウンが多い場合はガソリン車でも走行距離7,500kmまたは6カ月ごとと通常より倍ほど早めの交換が推奨されています。
中古車を選ぶ際のメンテナンス履歴で、頻繁にオイル交換している事実だけで寿命を判断するのは危険です。もともとオイル交換にかかる費用は高くありませんから、後々車を高く売るためだけの交換である可能性があるからです。状態を判断するには少なくともメンテナンス履歴と走行距離などの要素を総合的にチェックする必要があります。
3万キロで交換するタイヤ
タイヤメーカーが推奨しているタイヤの交換時期は4〜5年ですが、こちらも走行距離や路面の状況、保管方法によって異なります。最も適切な判断基準はタイヤの「スリップサイン」です。タイヤにある溝が走るごとにすり減っていき、スリップサインが現れるとそれが交換時期を知らせてくれます。
新品のタイヤの溝の深さは8mmですが、これが5,000km走るごとに1mmすり減るといわれています。スリップサインは1.6mmまですり減ると現れますから、計算上は走行距離3万2,000kmが交換の目安となります。
タイヤの交換にかかる工賃は1本あたり1,000円〜2,000円程度、タイヤ代は1本あたり2,000円から2万円ほどとかなり幅があります。ただスリップサインが一つでも現れたら車が静止するまでの距離は長くなります。天候が悪い日は、特に危険ですからできるだけ早めに交換することをおすすめします。
10万キロで寿命がくるタイミングベルト
ガソリンを燃やして走る車には、空気の供給が不可欠です。新鮮な空気を取り込んで、汚れた空気を排気するタイミングベルトは非常に重要な部品の一つです。一般的なタイミングベルトはゴム素材が使われており、経年劣化などの理由で切れてしまう危険があります。より寿命の長い「タイミングチェーン」も普及してはいますが、まだまだタイミングベルトの方が使われています。
タイミングベルトがうまく機能しなくなると、ガソリンが不完全燃焼したり、エンジンが止まってしまうことになります。そのため常に状態を確認しておきたいのですが、エンジン心臓部に非常に近い場所にあるため通常確認できません。したがって交換時期もわかりにくいのです。
タイミングベルトの交換時期はやはり10万kmと言われています。しかしこれはあくまで目安で、車のタイプや使い方によって大きく違うこともあります。しかも交換時期を知るための前兆のような症状が現れないため定期的なチェックと早めの交換で防ぐしかありません。
タイミングベルト自体の価格は数千円程度と高くはありませんが、同じタイミングでエンジン周辺の部品が劣化していることも多く、それらの交換もすすめられるため工賃と合わせると数万円かかることが多いようです。
長距離走行の車の処分は廃車買取
大切に乗りつづけた車も、いつかは走行距離10万kmを超える長距離走行車になります。そうなると廃車も視野に考える必要がでてきます。今ネットで話題の廃車買取について紹介します。
長距離走行の車は需要がない
長距離走行していれば、各部品の劣化も進んでいると考えられます。劣化した部品は、交換が必要になり故障の可能性も高くなります。交換する部品が多くなることは、その分の費用も多くかかり、そのような車を好んで買おうと思う人は少なくなります。
ディーラーからは廃車を勧められ、解体費用やその他諸々の支払いが発生します。買い替えの場合は、新たに購入しようとする車の購入費も必要となります。さらなる費用の追加は避けたいのが本音でしょう。
お得な廃車買取はカーネクスト
車として売るのが難しい長距離走行車を廃車にするなら、廃車買取で有名な「カーネクスト」が大いに役立ちます。カーネクストは、廃車にかかるレッカー移動や廃車手続き代行料の全てが無料で、さらにどんな車でも買取査定は無料。車体の買取金額0円以上を保証しています。つまり廃車にかかるはずの費用は無料で、場合によっては買取金額が戻ってくる可能性もあります。
この驚くような仕組みは、カーネクストの販売ルートにあります。国内で廃車にするしかないと言われる日本車でも、海外ではまだまだ人気があり、事故車・故障車だとしても使える部品は高く販売できます。カーネクストは廃車車両から使える部品を「仕入」として販売するビジネスを展開しているのです。
寿命の走行距離は許容できるメンテ費用で決める
車の寿命や走行距離や走行の状況によって変わります。寿命を少しでも長くするには、こまめにメンテナンスし、状態に適切な部品交換をするのが有効です。そういう意味で、メンテナンスとその費用が寿命を決めると言ってよいでしょう。
そうして長く使った車もいつかは廃車にすることになります。そのときはただ廃車にするのではなく、廃車も対象とした買取業者に買い取ってもらうのがおすすめです。カーネクストのように特別な販路を持つ業者はたとえ長距離走行車でも適切に査定し買い取ってくれるだけでなく、廃車にかかる費用もかからないという大きなメリットがあるからです。
寿命が来て廃車にするとしても、費用がかかるとあきらめなくてもよいのです。廃車買取を賢く利用し、大切に乗ってきた愛車を有効に活用しましょう。