車が急に故障したなどのトラブルが起こったときに対処できるよう、故障車の牽引について理解しておくと安心です。ただし、さまざまな制限やルールがあり、それらに従わないと法律違反とされることがあるので注意しましょう。なにより正しい方法や手順を知らないと危険です。方法や手順、制限やルールについて解説します。
故障車の牽引には免許が必要?
経験がない状態で牽引するのは不安になることでしょう。確かに牽引は難しいテクニックが必要なので、基本的には免許が必要となります。しかし例外もあるので、専門の免許なしでもよいケースについて解説します。
基本的には牽引には免許が必要
一般車両が牽引するのは難易度が高く危険なので、原則として牽引には免許が必要です。しかし、故障車の場合は例外として免許なしでもできることがあります。
牽引の経験がないのに安易に行うと危険なので、できる限りロードサービスなどの業者に依頼しましょう。そうはいっても業者と連絡がつかない、スマホを持っていないなど不測の事態も考えられます。その場合は既定のルールを守り、安全な場所まで牽引しましょう。
やむを得ないとされる場合は牽引できるが制限やルールもある
安全な場所まで故障した車を移動する、修理工場まで運ぶなど、やむを得ないとされる場合は牽引できます。しかし法律で決められている制限やルールがあるので気をつけなければなりません。制限やルールを無視して牽引すると法律違反になります。
決められている制限やルールに関係なく牽引できるのは、公安委員会が道路や制限時間を指定し許可した場合のみです。緊急事態としてどうしても牽引しなければならないときは、公安委員会の許可を取りましょう。
故障車を牽引するときの制限やルールとは
故障車を牽引するときにはさまざまな制限やルールが決められています。ルールを破ると法律違反とされてペナルティが課せられることがあるので気をつけなければなりません。1つずつ確認していきましょう。
基本的に牽引できるのは総重量750g以下の車のみ
牽引する車の総重量が750g以上になると牽引免許が必要です。人の重さや荷物の重さも含めます。原則として750g以下の車のみ牽引できることになりますが、750g以下の車は軽自動車の中でもごく一部の車種です。
既定の総重量を超えていても故障車で緊急を要する場合は公安委員会の許可を得て牽引することができます。
車の前端から後端まで25m以内、車の間隔は5m以内
決められた長さや車の間隔を守っているなら2台まで牽引できます。長さや間隔の制限については、牽引車の前方の端から牽引される車の後方の端までは25m以内、そして牽引車から故障車までの間は5m以内となります。間隔が広すぎるとカーブが曲がりにくくなるなど事故の危険があるので、必ず既定の長さおよび間隔を守りましょう。
車によって牽引可能な台数は異なる
大型自動車・中型自動車・普通自動車・大型特殊自動車が牽引可能な台数は2台までです。また、大型自動二輪車、普通自動二輪車、小型特殊自動車が牽引可能な台数は1台のみとなります。
牽引するロープに白色の布をつけなければならない
牽引するロープには0.3平方メートル以上の白色の布をつけなければなりません。これも法律で決められていることなので、必ず守りましょう。白色の布は牽引していることを知らせるサインです。他の車に対して牽引を知らせる目印になり、注意を促すこともできます。
制限速度は基本的に時速30km
制限速度にも定めがあり、車の種類により制限速度は変わります。例えば125cc以下の自動車二輪車や原動機付自転車で牽引をする際は制限速度は25km、車の総重量が2,000kg以下の車をその3倍以上の重量のある車が牽引する際は、制限速度は40kmとなります。
どちらにも当てはまらない場合は制限速度30kmで、乗用車が乗用車を牽引するなど最も多いケースになります。スピードを出すと事故を起こす危険があるので、ゆっくりと慎重に運転しなければなりません。
高速道路で牽引することはできない
高速道路は時速50km以上で走行するという定めがあるので、牽引の制限速度では高速道路を走行することはできません。もし高速道路で車が故障した場合は、レッカーなどを業者に依頼してすぐに対処する必要があります。
業者が到着するまでは通行車両に十分注意しながら三角表示板を設置し、安全な状態で待ちましょう。
故障車を牽引する前に確認すること
準備がしっかり整っていないと牽引できません。牽引する前に必要なものなどを確認しておきましょう。
必要なものを確認する
まず、牽引に必要な「ロープ」、「白色の布」、「三角表示板」が揃っているか確認しましょう。これらの道具はカー用品店や通販などで購入可能です。
ちなみに、ロープは軽自動車・小型車用または大型・4WD用があるので車に合うものを選びましょう。そして、ほとんどの商品がロープに白色の布も付属しています。
エンジンがかかるか確認する
牽引する車だけでなく故障車である牽引される車にもドライバーが乗りハンドル操作をします。そのため、故障車のエンジンがかかるかの確認も必要です。エンジンがかからないとハンドルが重くなり、ブレーキの動きも悪くなります。
エンジンがかからない、自信がない場合は業者に依頼する
ただでさえ牽引は難しいテクニックが必要です。その上エンジンがかからずハンドルが重くなった場合、事故を起こす危険性はより高くなります。エンジンがかからない場合、または自信がない場合も、無理をせずロードサービスなどの業者に依頼しましょう。
故障車を牽引する方法と手順
牽引する方法と手順を知っておくことで、いざというときに落ち着いて対処できます。
ロープをつないで牽引する
牽引はクレーンやロープを使う方法がありますが、素人が緊急で行う場合はロープをつないで牽引することが多いです。牽引する車と牽引される故障車の両方に免許を持った人が乗って操作を行います。
故障車の前輪や後輪を上げて牽引するなど他の方法で行う人もいますが、経験がない場合はロープをつないで牽引する基本的な方法がおすすめです。そうはいっても操作は簡単ではないので十分に気をつけましょう。
牽引の手順
車が故障し牽引が必要になった場合、まず最初に、故障車と牽引車の前と後ろに三角表示板を置きます。そして故障車のエンジンがかかるかを確認して、牽引フックやロープ、白色の布を取り付けます。ここまで終えたら三角表示板を撤去し、目的の場所まで故障車を牽引していきましょう。
- 故障車と牽引車の前後に三角表示板を置く
- 牽引フック・ロープを両方の車両に取り付ける
- 白色の布を取り付ける
- 三角表示板を撤去し牽引する
牽引する際の注意点
牽引ロープはたるむことがないようにピンと張った状態をキープします。たるむと地面に擦れ、ロープが切れてしまうことがあります。
発進、停車、坂道は普段よりも慎重に行いましょう。急発進や急停車をするとロープが切れたり車同士がぶつかったりして危険です。特に下り坂は事故が起こりやすいので、急ブレーキを踏まないように注意しましょう。
廃車にするなら自分で牽引する必要はない
故障車を廃車にする予定なら、無理に自分で牽引する必要はありません。レッカーを依頼してもよいのですが、廃車にするなら「廃車買取専門業者」に買い取ってもらう方法がおすすめです。
通常は中古買取業者や修理工場に廃車の依頼をする場合、車の状態や場所にもよりますが、レッカー費用や廃車費用の手続きで50,000~80,000円はかかるといわれています。
ところが廃車買取専門業者であるカーネクストで費用を確認してみると、引取り手数料、レッカー費用、解体費用、廃車手続き代行費用の全て無料です。
カーネクストでは他店で断られた場合も快く相談にのってくれます。故障車も問題がない部品やボディ等を資源として再利用できるそうです。そのため0円以上の買取保証も行っています。海外に独自の販売網を確保しているので、場合によっては値段が付く可能性もありです。
このように費用をかけずお得に廃車する方法もあるので、故障車を無理に自分で牽引しようとせず、廃車買取業者に相談することをおすすめします。
不安なら無理に自分で牽引せずに業者に依頼しよう
突然車が故障するとパニックになりがちです。故障した車を安全な場所や修理工場などに運ぼうと、経験や知識がないまま牽引しようとする人もいますが、無理をすると危険なので落ち着いて対処する必要があります。牽引は高度なテクニックが必要です。不安なら無理に自分で牽引せずに業者に依頼しましょう。
廃車にするなら、廃車買取専門業者に相談するのがおすすめです。費用をかけることなく楽に故障車を移動させることができ、廃車の手続きもスムーズにできます。