中型免許とは?取得方法や費用などをご紹介

運転免許の種類は、車の大きさによって普通免許、準中型免許、中型免許、大型免許の4種類に分かれています。
大きい方から2番目の位置づけである中型免許はあまり馴染みのない免許ですが、取得するとどのような車が運転できるようになるのでしょうか。

ここでは、中型免許の取得方法や取得にかかる費用、準中型免許との違いなどについて解説していきます。

中型免許って?

中型免許とは一体どのような免許なのでしょうか。
中型免許の対象となる車や、中型免許を取得するための条件などを詳しく見ていきましょう。

中型免許の対象車

各免許の対象となる車は、車両総重量と最大積載量、乗員定員によって定められています。
中型免許の対象となる車の条件は、下記のとおりです。

  • 車両総重量:7.5t以上11t未満
  • 最大積載量:4.5t以上6.5t未満
  • 乗車人数:11人以上29人以下

中型とは、大型のトラックやバスよりも一回り小さい車のことで、一般的な乗用車と比べるとはるかに大きいサイズの車になります。
一般の乗用車に中型免許が必要になる大きさのものはないため、主に大きな車を運転する仕事をしている人などが、中型免許を取得することがほとんどです。
具体的には、マイクロバスや4tトラックなどが中型免許の対象車となり、ゴミ収集車、消防車などを運転するのにも中型免許が必要となります。
そのため、中型免許を持っていれば、中長距離の運送業務や、マイクロバスの運転業などに従事することができます。

中型免許には中型一種と中型二種の二種類があり、一般的な業務で使用する場合は中型一種、料金を取ってお客さんを乗せる場合は中型二種となります。

中型免許を取得する条件

中型免許を取得するためには20歳以上かつ、下記のいずれかの条件を満たす必要があります。

  • 普通免許を取得して2年以上経っている
  • 大型特殊免許を取得して2年以上経っている
  • 中型8t限定免許を持っている

普通免許も大型特殊免許も取得せず、最初から中型免許だけを取得することはできません。
中型免許を取得できるのは、普通免許を取得できる年齢である18歳から2年経った20歳以上ということになります。
免停などで免許が停止している期間は、この2年間に含まれないので注意しましょう。

8t限定中型免許とは?

中型免許は、平成19年6月2日に施行された道路交通法改正によって新設された、比較的新しい免許です。
この道路交通法改正以前は中型免許がなかったため、普通免許でも車両重量が8t未満の車に乗ることができました。
そのため、道路交通法改正以前に普通免許を取得した人は、普通免許の「免許の条件等」の欄に「中型車は8tに限る」という表記がされています。
これを8t限定中型免許と言います。
この8t限定中型免許を持っている人であれば、中型免許を取得しなくても、車両総重量8t未満の車を運転することができます。

8t限定中型免許で運転できる車の条件は下記のとおりです。

  • 車両総重量:8t未満
  • 最大積載量:5t未満
  • 乗車人数:11人未満

8t限定中型免許では4tトラックは運転することができますが、乗車人数が11人未満と定められてるため、マイクロバスの運転はできません。

中型免許の取得方法・費用

中型免許は、既に持っている免許の区分や講習の有無などによって、取得方法や取得にかかる費用が異なります。
ここでは、中型免許の取得方法や取得にかかる費用について、詳しく解説していきます。

教習所で講習を受ける

中型免許を取得するための一番スタンダードな方法は、自動車教習所で講習を受けてから卒業検定を受けるという、普通免許の取得と同じ流れになります。
卒業検定に合格した後、運転免許試験場で本免学科試験を受け、合格すれば中型免許が交付されます。
この方法で中型免許を取得する場合の費用の相場は、20~25万円程度です。
運転免許試験場で本免学科試験を受けるためには、別途3,600円(受験料1,550円、免許証交付料2,050円)がかかります。

一発試験

中型免許を取得するもう一つの方法は一発試験と呼ばれ、かなり難易度が高くなります。
一発試験とは、運転免許試験場で技能試験を直接受験する方法です。
自動車教習所で講習は受講せず、場内コースの仮免許試験や路上の本試験、教習所の取得時講習を経て、中型免許が交付されるという流れになります。

一発試験の試験費用は約4万円で、自動車教習所で講習を受けて中型免許を取得する方法と比べると、かなり安いのが特徴です。
しかし、教習所で講習を受講しない代わりに、運転の練習で使う中型車両のレンタル料、同乗する指導者の依頼料などの費用がかかります。
また、一発試験は難易度が高いため、一度で合格することはほとんどなく、複数回受験するのが一般的です。
そのため、トータルで計算すると、教習所で講習を受講する方法と費用があまり変わらなくなることも少なくありません。
運転免許試験場で本免学科試験を受けるためには、8,650円(受験料4,100円、試験車使用料2,500円、免許証交付料2,050円)がかかり、取得時講習受講料22,000円も別途必要になります。

限定解除

8t限定中型免許を持っていれば、比較的簡単に中型免許を取得することができます。
8t限定中型免許を持っている人が、通常の中型免許を取得することを限定解除と言います。
限定解除の場合は、自動車教習所に通って限定解除用の講習を受け、卒業検定に合格するだけで、中型免許を取得することができます。
限定解除用の講習は、普通免許や大型特殊免許を持っている人が受ける講習よりも時間が短く、費用も7~9万円程度と安く済みます。

8t限定中型免許がオートマチック車の場合は、講習の内容が少し増え、費用も9~12万円程度と少し高くなります。
いずれの場合も卒業検定に合格した後は、運転免許試験場で試験などを受ける必要はありません。

また、この限定解除の場合も一発試験で中型免許を取得することができますが、かなり難易度が高いです。自動車教習所に通い、講習を受けて取得する方法をおすすめします。

準中型免許とは?

平成29年3月12日に道路交通法の一部を改正する法律が施行され、準中型免許が新設されました。
準中型免許と中型免許の違いとは何なのか、詳しく解説していきます。

準中型免許の対象車・取得する条件

下記の条件を満たす車が、準中型免許の対象となる車です。

  • 車両総重量:7.5t未満
  • 最大積載量:4.5t未満
  • 乗車人数:10人以下

準中型免許は普通免許と中型免許の中間的な位置づけで、8t限定中型免許よりも運転できる車の範囲が少し狭くなっています。
また、準中型免許は18歳以上であれば取得することができ、普通免許を持っていなくても取得することが可能です。

準中型免許が新設された背景

準中型免許が新設された背景には、トラックドライバーなどの人材不足を解消する狙いがあります。
トラックドライバーなどの仕事に従事するために中型免許を取得しようと思っても、中型免許は20歳以上しか取得することができません。
そのため、年齢制限のために免許を取得できず、高校卒業後にすぐに働くことができないなどの問題点がありました。
準中型免許であれば、高校卒業後に取得することができるので、すぐに運送会社などで働くことができます。

準中型免許は、8t限定中型免許ではない普通免許よりも運転できる車の範囲が広く、中型免許よりも取得しやすくなっています。
高校卒業後に運送会社などで働くことを考えている方は、初めての免許に準中型免許を選んでみてもいいでしょう。

まとめ

中型免許の取得方法や取得にかかる費用、準中型免許との違いなどについて解説しました。
中型免許は、運送会社などに就職や転職を考えている方は、取っておくべき免許になっています。
また、中型車を運転することで車体の大きさに慣れ、大型車の運転に活かしたいと考えている方にもおすすめです。
自分のライフスタイルに合った取得方法で、自分の仕事などに合った免許を取得するようにしましょう。