九州北部・四国・中国・近畿・東海地方では、5月29日に気象庁より令和5年の梅雨入りが発表されました。いずれも平年より7日前後早く、近畿地方で5月内に梅雨入り宣言がされたのは2013年5月27日以来だったため、約10年ぶりとされています。梅雨入りし不安定な天候が続くことから、洗車をしてもすぐにまた雨で汚れてしまうこともあり、洗車が億劫に感じる方も多いかもしれません。しかし、梅雨の時期こそ実は定期的な洗車をした方が良いことはご存知でしょうか。雨には様々な汚れの原因が含まれていて、雨の中走行した車をそのままにすると、雨に含まれる有害な汚れや砂埃によって、どんどんと悪化してしまうのです。また、梅雨の時期は気温が高く、雨の切れ間であれば洗車にちょうど良い速さで乾くため向いているとされています。
こちらでは、自宅でできる上手な手洗い洗車の方法や、手洗い洗車に必要な道具について解説します。
手洗い洗車、洗車機のメリットとデメリット
わざわざ手洗いで洗車をしなくても、ガソリンスタンドや洗車場に行けば自動洗車機があるのでは?と思う方も多いでしょう。手洗い洗車と洗車機には、それぞれメリットとデメリットがあります。メリットとデメリットを比較し、ご自身にあった洗車方法で梅雨をのりきりましょう。
手洗い洗車と洗車機のメリットとデメリットの比較表
洗車種別 | メリット | デメリット |
---|---|---|
手洗い | ・仕上がりが良好で、傷が付きにくい ・経済的 | ・手間(時間)がかかる ・冬場や夏場は気温のせいで外での作業は負担になる |
洗車機 | ・自動的にやってくれるので手間がかからない ・自宅に洗車用スペースを用意する必要がない | ・手洗いに比べると料金が高い ・細かい加減ができないので、強めに擦りつけてしまってボディに傷を付けてしまったり、逆に当たっておらず洗い残しがでる可能性がある |
上記の表から比較してみると、月に何度も洗車をするのであれば、洗車機による洗車は経済的負担が大きいかもしれません。手洗い洗車は最初に道具を揃える時点で費用はかかるものの、使い捨ての道具はほとんどないため、二回目以降の費用はかなり抑えることができます。次項では手洗い洗車に使用する道具について解説します。
手洗い洗車に必要な道具について
こちらでは、手洗いで洗車をするために必要な道具について解説します。ただし、手洗い洗車をするには、まず第一に洗車するスペースと屋外で洗車するための水道設備が必要です。都市部など、マンションの立体駐車場や月極駐車場に駐車している場合、水道設備の準備や洗車スペースの確保が難しい可能性があります。自宅に駐車場がありスペースや水道設備どちらも確保できるという方は、下記の最低限必要な道具を揃えることで、手洗い洗車が可能です。確保が難しいという方は、コイン洗車場のような水道設備と洗車スペースを貸しているところがあれば手洗い洗車が可能になります。
手洗い洗車をするために最低限必要な道具とは
手洗い洗車をするには、下記の道具が必要になります。また、こちらの道具には含まれていませんが、手洗い洗車を終えた後の仕上げとしてワックスがけやコーティングをするのであれば、ワックス用のウェス等の準備も必要になります。
手洗い洗車の道具一覧
道具名 | 備考 |
---|---|
シャワー付きホース | シャワーの水圧が調整できると便利、ホースの長さは水道設備から車体までの距離にプラス2~3mあると作業が楽になります。 |
カーシャンプー | ボディカラーごとに種類があり選ぶ必要があります。軽度の汚れには中性タイプ。泡立ちが良く研磨剤は入っていない微粒子のものを選びましょう。 |
バケツ(10L以上) | シャンプー泡立て用とスポンジすすぎ用に二つ以上を用意。20Lは洗車時楽ですが、大きな収納スペースが必要です。 |
ボディ用のスポンジ(あるいはムートン) | ウレタン素材で密度が高いスポンジは洗い残しが少なく使いやすいでしょう。ソフト洗い用ならムートンがおすすめです。 |
タイヤ・ホイール用のブラシ | 硬めの素材であるPPやシュロ製のブラシがタイヤやホイールにはおすすめ。ボディには絶対に使ってはいけません。 |
クロス | 水拭き用のクロスはマイクロファイバーやPVA素材のものがおすすめ。吸水性が高く繰り返し使用できます。 |
手洗い洗車の方法について
手洗い洗車に必要なスペース、水道設備、最低限の道具を揃えることができたら、手洗い洗車を始めます。洗車をするのに良い時間帯は、基本的には午前中といわれます。特に初夏以降はお昼間に気温が上昇しますので、洗車中の水滴が乾く時間も早くなります。水滴が蒸発するとウォータースポットになりシミができてしまうため、気温が上がり過ぎない正午までには洗車を終わらせるといいでしょう。
こちらでは、手洗い洗車の手順と方法をくわしく解説します。
予洗い
まず、水道ホースのシャワーを使ってボディに付着した砂粒やホコリなどを洗い流します。この時、水圧が強すぎるとコーティングが取れてしまう可能性があるのであまり水圧を強くしないように注意しましょう。
泡立て
カーシャンプーをバケツに入れて準備します。シャワーを強めの水圧にして、バケツの上の高所からバケツの中のカーシャンプーに向けてシャワーをかけて、溢れるギリギリまで泡を大量に作ります。ボディは傷つきやすいため、スポンジで直接擦るのではなく、泡で車を覆って汚れを浮かして落とすため、泡が多く必要になります。
下回りを洗う
洗車は基本的に上から順にするものですが、タイヤ・ホイール・タイヤハウスに関しては最も汚れている部分ですので最後に洗うとボディに汚れが再付着してしまう可能性があります。そのため、まずは最も汚れているタイヤ・ホイールを最初に洗いましょう。タイヤは傷を気にする必要はありませんので、前項でご紹介したような硬めのブラシで強めに擦っても問題ありません。
ボディに泡を塗り広げる
下回りが洗えたら、次はバケツからスポンジで泡を取り、ボディに泡を付けます。スポンジでボディを直接擦らないよう、ボンネットやルーフにはスポンジを絞って泡を落としたり、ドアなどの側面部分にはスポンジを振って泡を飛ばして泡を付着させることが傷をつけないコツです。泡を付着させた後は、スポンジで泡を塗り広げてください。スポンジでボディを擦らないように力を抜いて泡を広げます。ボディ全体に泡を広げようとすれば、途中で乾いてしまう可能性があります。部分毎に分けて泡を広げる、すすぐの工程を行いましょう。
フェンダーやバンパー、ドアの下部などは砂や汚れが多く付いている所になります。スポンジが汚れないように気をつけて洗います。もしもスポンジが汚れてしまった場合は、そのまま使用を続けると洗車傷を付けることになりますので、すぐにスポンジをすすぎましょう。目に見える砂や汚れは先にシャワーで予洗いしておくと安心です。
すすぎ
ボディに塗り広げた泡が乾く前に、シャワーで洗い流します。特にボンネットはエンジンの熱で乾きやすいので、左側・真中・右側など3回程度に分けて洗車すると良いでしょう。部分毎に分けながら、ボディ全体が終わるまで、部分ごとに泡を塗り広げて、シャワーですすぐの繰り返し作業となります。
乾拭き
全体の洗車が完了したら、マイクロファイバークロスなどでボディに残っている水分を取り除きます。ただし、擦ってしまうと傷が付く可能性がありますので、拭くというよりはクロスを優しく押し付けて水分を取りましょう。吸水力の高いクロスにすると、時間が短縮できます。
ワックス・コーティング
必要に応じてワックスやコーティングをしてください。また、ワックスやコーティングの前には鉄粉除去粘土などで鉄粉を除去しておくと、仕上がりが更に綺麗になります。
まとめ
全国的に梅雨入りの時期となり、雨の中車を走らせるとボディや下回りが汚れてしまう機会は多くあるでしょう。手洗い洗車を雨の合間にすることで、雨によってついた汚れを洗い流し、良い状態で車を維持することができます。車を良い状態で保つのは、車を使っている時に気持よく乗れるだけでなく、車を処分するときの査定額にも関わってきますので、将来的な面からも良いでしょう。