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車検では何を検査される?車検前にチェックしておくべきこととは

車を所有していると、新車であれば購入してから3年後、その後は2年に一度のペースで車検を受ける必要があります。車検の費用は決して安くはないため、できれば再検査を受けることなく、一回で車検に通したいものです。

ここでは、車検で検査される項目と、車検前にチェックしておくべきことについて解説していきます。
これらの内容を把握しておくと車検に通りやすくなるため、ぜひ参考にしてみてください。

車検に通らなかった場合どうなる?

車検には保安基準が定められており、その保安基準を満たしていない場合は不合格となります。
では、車検に通らなかった場合はどうなるのか見ていきましょう。

業者に車検を依頼した場合

業者に車検を依頼する場合、法定整備と車検をセットで行ってくれることがほとんどです。
法定整備をきちんと行っていれば、車検で検査される保安基準はクリアできるようになっているため、車検に通らないことは滅多にありません。
車検を行っている業者は車検のプロであり、どういった車が不合格になるのかなども把握しているため、業者に任せておけば安心だと思っていいでしょう。

業者に依頼したにもかかわらず車検に通らなかった場合も、業者がその日の内に整備し、再受検してくれれば問題はありません。
業者が整備の段階で見逃していた場合は、再受検の費用もサービスしてくれることが多いようです。
しかし、整備や修理に何日もかかる場合などは、再度費用面などについて相談する必要があります。

ユーザー車検の場合

業者などに依頼せず、自分で車検を受けることをユーザー車検と言います。
ユーザー車検は、業者に依頼する場合と比べ費用が抑えられる反面、不合格になる可能性が高いです。
ユーザー車検で不合格になった場合は、申請日当日であれば3回まで検査することができるので、1回の申請であと2回再検査を受けることができます。

しかし、それでも合格できなかった場合は、再度申請して検査手数料を支払い、日を改めて検査を受ける必要があります。
初回の申請日から15日以内に再検査を受ける場合は、不合格になった箇所のみの再検査で済み、検査手数料は1,300円程度です。
初回の申請日から15日を過ぎてしまった場合は、もう一度全ての項目を検査する必要があり、手数料も通常の1,800円となります。
業者に別途整備を依頼する場合はさらに費用がかかるので、ユーザー車検で再検査になってしまった場合、手間と費用が余計にかかってしまいます。

車検の検査項目

では実際に、車検でどのような検査が行われるのかを詳しく見ていきましょう。

外回り検査

外回り検査とは、車の外観部分に問題がないかをチェックする検査のことで、主に下記の項目をチェックします。

  • ヘッドライトの点灯
  • ウインカーの点灯
  • タイヤのホイールナットの緩み
  • テールランプの点灯
  • ブレーキランプの点灯
  • バックランプの点灯
  • ハザードランプの点灯

サイドストリップ検査

サイドストリップ検査とは、前輪のタイヤの横滑り量を計測する検査のことです。
サイドストリップの数値が1mにつき5mmを超えると不合格となります。

ブレーキ検査

ブレーキ検査とは、前輪、後輪、駐車ブレーキの制動力をチェックする検査のことです。
ブレーキ検査は、車検の中でも不合格が出やすい検査となっています。
ユーザー車検の場合は、思いっきり強く踏み込むことがポイントです。

スピードメーター検査

スピードメーター検査とは、スピードメーターに表示される速度と、実際の速度に誤差がないかをチェックする検査のことです。
スピードメーターの表示と実際の速度の誤差には法定上の許容範囲があり、車検基準が設けられています。
誤差の許容範囲は10km/h程度となっており、スマートフォンなどで速度計測アプリをダウンロードすることで、自分で調べることもできます。

ヘッドライト検査

ヘッドライト検査とは、ヘッドライトの光量や光軸が基準範囲内であるかをチェックする検査のことです。
また、車検で定められている基準とは別に、道路運送車両法でもハイビームは100m先、ロービームは40m先の障害物を確認できなくてはならないと定められています。

排気ガス検査

排気ガス検査とは、排気ガスに含まれる一酸化炭素と炭化水素の濃度が基準値内であるかをチェックする検査のことです。
ガソリン車の排気ガス規制値は下記のとおりです。

CO:1.0%
HC:300ppm

しかし、エンジンのピストンが上下2往復で吸気、圧縮、爆発、排気を行う4サイクルエンジンと、これを1往復で行う2サイクルエンジンとでは規制値が異なります。
2サイクルエンジンの場合は、上記の数値よりも規制値が緩くなっていますが、これは2サイクルエンジンが現在ほとんど使われておらず、現在の排気ガス規制に適合することが難しいためです。
また、ディーゼル車の場合は排気ガス検査ではなく、ディーゼル車専用の検査を行います。

下回り検査

下回り検査とは、車両下部に異常がないかをチェックする検査のことで、主に下記の箇所をチェックします。

  • かじ取り装置
  • 制動装置
  • 走行装置
  • 緩衝装置
  • 動力伝達装置
  • 車わく及び車体
  • 排出ガス関係装置
  • 燃料装置

車検前にチェックしておくべきこと

車検で行われる検査項目についてお話ししましたが、それぞれの検査に合格するためには、どのような点に気を付けておけばいいのでしょうか。
車検前にチェックしておくだけで車検に通る確率がグッと上がるので、ぜひ参考にしてみてください。

灯火装置の確認

外回り検査でチェックされるヘッドライト、ウインカー、テールランプ、ブレーキランプ、バックランプ、ハザードランプなどの灯火装置がきちんと点灯するかを確認しておきましょう。
灯火装置が切れている場合は電球を交換するだけで済みますが、灯火装置から光が漏れている場合はレンズが破損している可能性があるため、レンズを交換する必要があります。

タイヤの整備

車検では、タイヤの溝の残りがどれくらいなのか、タイヤに亀裂やひび割れなどがないかなどがチェックされます。
下記の状態になっている場合は、タイヤを新しいものに交換しておく必要があります。

  • タイヤの溝の残りが1.6mm以下になっている
  • タイヤに亀裂やひび割れがある

また、下記のようなタイヤは不正改造車と見なされ、整備命令の対象となるため注意しましょう。

  • タイヤが車体から1cm以上はみ出している
  • ホイールが車体からはみ出している

ガラスの確認

ガラスにヒビが入っていたり割れてしまっている場合は、補修や交換を行いましょう。
検査標章や点検ステッカー以外のシールなどをガラスに貼っている場合は、剥がしておく必要があります。
また、着色フィルムをドライバーの後ろのガラス以外に貼っている場合は不正改造車と見なされ、整備命令の対象となるため注意しましょう。

メーター周りの確認

警告灯類が点灯している場合は、点灯しているマークの箇所に不具合が生じてる可能性があります。
警告灯が点灯していたら、接触不良による点灯ではないかをまずは確認し、接触不良ではなく故障による点灯であった場合は、速やかに修理を行うようにしましょう。
警告灯の点灯は車検に通すためだけでなく、車の重大な事故につながってしまう危険性もあります。

排気漏れの確認

マフラーから排気漏れがないかも確認しておきましょう。
アイドリング時、車体の下から「ボッボッボ」というような音が聞こえたり、走行中にアクセルを踏んだ際の排気音が今までよりも大きいように感じた場合、排気漏れが起こっている可能性があります。
排気漏れがあった場合は補修剤などでマフラーの補修を行うか、部品交換を行う必要があります。

ブーツの確認

車の主なブーツには、タイヤの内側と車体中央に付いている蛇足状のゴム部品であるドライブシャフトブーツと、車体の中央側についている蛇足状のゴム部品であるステアリングラックブーツがあります。
これらのブーツが破れていると車検には通らないため、破れていないかどうかを確認しておく必要があります。
ハンドルをめいいっぱい切った状態でタイヤの内側と中央を覗き込むことで、ドライブシャフトブーツやステアリングラックブーツが裂けたり破損していないかを確認することができます。
裂けたり破損してしまっている場合は、すぐに交換するようにしましょう。

まとめ

車検で検査される項目と、車検の前にチェックしておくべきことについてご紹介しました。
車検を通していない車で公道を走行すると、罰則や罰金が科せられることもあるため注意が必要ですが、何より安全に走行するためには車検で車を検査してもらうことが重要です。
そのため、車検の前にチェックしておくべき項目は、車が安全に走行するために確認しておくべき項目でもあります。

また、故障している箇所や状態によっては、修理費がかなり高額になってしまうこともあります。
その場合、修理をしてから車検を受けるとなると、修理費と車検の費用がかかるため、かなり大きな出費となります。
長年乗った車であれば、これを機に車の買い替えを考えてもいいかもしれません。
廃車買取業者であれば、故障している車であっても買い取ってくれる可能性が高いので、一度査定に出し、査定額を聞いてから車検に出すかどうかを検討してみてもいいかと思います。