カーリースのメリット・デメリットは?こんな人が向いている!

近年、CMなどでもよく見かけるようになったカーリース。
現金やローンで車を購入するのではなく、リースするという新しい車の乗り方ですが、どんな仕組みなのか詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。

ここでは、カーリースの仕組みからメリット・デメリット、カーリースに向いている人や不向きな人などを詳しく解説していきます。

カーリースとは?

近年、動画配信サービスや音楽配信サービスなどでサブスクリプションが広まってきていますよね。
サブスクリプションとは、月々一定の料金を支払うことで、製品やサービスを一定期間利用することができるビジネスモデルのことです。
カーリースは、車のサブスクリプションサービスだということになります。

カーリースの仕組みや、ローンとの違いなどについて詳しく見ていきましょう。

カーリースの仕組み

カーリースの仕組みを分かりやすく例えると、アパートの契約と同じになります。
アパートを借りた場合、住むのは借りた人ですが、アパートの所有者は大家さんになりますよね。
カーリースもこれと同じで、車に乗るのは借りた人ですが、車の所有者はリース会社になります。

また、家を購入した場合、固定資産税や修繕費用などといった維持費や管理費がかかりますが、アパートに住むのであれば、毎月一定の家賃を払うだけでいいため、家の維持費や管理費を計算したり、支払う必要はありません。
カーリースの場合もこれと同じで、車検や車のメンテナンスにかかる費用を別途支払う必要はありません。

アパートの契約とカーリースの異なる点は、契約終了後に買い取れるかどうかということです。
アパートは備え付けの家具や壁などを破損してしまった場合、契約終了時に支払いが必要になります。
カーリースも事故などで車を破損してしまった場合は支払いが発生しますが、アパートとは違いほとんどの場合、契約満了時に車を買い取ることができます。

カーリースとレンタカーの違い

カーリースとレンタカーは、どちらも車を借りるシステムなので同じように感じますよね。
ですが、この2つのシステムは大きく異なります。

カーリースとレンタカーの最も異なる点は、車の使用期間です。
レンタカーは一般的に、休日に半日使用したり、旅先などで2~3日程度使用されることが多いですが、カーリースは3年や5年、7年などの長い期間使用することができます。

カーリースがレンタカーと異なる点は、以下のようなものがあります。

  • 契約期間中は自分だけの車になる
  • 自分の好きな車に乗ることができる
  • 自分の駐車場で車を管理することができる
  • ナンバープレートが「わ」や「れ」ではない

つまり、カーリースの契約期間中は、リースした車をマイカーのように扱うことができるのです。

カーリースのメリット

カーリースを利用するメリットについて詳しく見ていきましょう。

月々の支払額が安い

カーリースは、オートローンよりも月々の支払額を安く抑えることができます。

カーリースの大きな特徴は、「残価設定」です。
残価とは、購入した車を下取りに出したときの価値、つまり下取り価格のことです。

カーリースの毎月のリース料金は、車両料金全額を契約月数で割るのではなく、この残価がどれくらいになるのかを見込みで設定し、設定した残価を差し引いた車両料金を契約月数で割って算出されています。
そのため、車両料金全額を設定した月数で割るオートローンより安く済むのです。
車両価格が200万円で契約満了時の残価が50万円の設定の場合、カーリースの月額料金は200万円-50万円=150万円を契約月数を割った金額になり、200万円を設定した月数で割るオートローンよりも安い月額料金で済むということです。

また、人気の高い車ほど残価が高くなる傾向にあるため、人気車ほど毎月の支払額が安く済むというメリットもあります。

税金・維持費込みの定額料金

オートローンでは、月々の支払いに加えて車検費用やメンテナンス費用などの維持費を支払う必要があります。
自動車税も自分で納める必要があるため、毎月5月の出費は大きくなってしまいますよね。
つまり、毎月一定の額を支払うのではなく、出費が増えてしまう月があるということになります。

しかし、ほとんどのカーリースでは車検費用やメンテナンス費用などの維持費は全てリース料金に含まれており、毎月の支払いにプラスで支払いが発生するということはありません。
自動車税に関しても、分割した額があらかじめリース料金に含まれており、リース会社が自動車税を納めるため、自分で自動車税を納めるという手間も省けます。

また、リース会社から指定されたとおりに点検や整備を行えば、別途費用がかからないだけでなく、車をいいコンディションで保つことができます。
こういったメンテナンスを行う業者を選んだり、一社一社に見積もりを取る手間がかからないのは楽ですよね。
リース会社側も自社で点検や整備を行うことで、残価どおりに再販がしやすいというメリットがあります。

オートローンとカーリースは、どちらも月々の支払額を少なくするという点は共通していますが、その支払額が一定かどうかという点に違いがあります。
カーリースは、契約時に決められた月額料金以外にかかる費用はガソリン代や駐車場、任意保険料だけなので、月によって出費が大きくなることもなく、家計の管理がしやすくなります。
カーリースは、自動車税や車検費用などのまとまったお金を、月額料金にプラスして支払いたくないという方におすすめです。

頭金が不要

車を購入する際は、車両料金に加え、環境性能割、自賠責保険料、自動車重量税、事務手数料などの頭金が必要になります。
この頭金は数十万円ほどかかるため、頭金などの初期費用のことを考え、新車購入をためらってしまうという方も多いのではないでしょうか。

しかし、カーリースでは、これらの頭金も全て月々のリース料金に含まれているため、契約時に決められた月額料金にプラスして、これらの頭金を支払う必要はありません。
そのため、新車に乗るためにまとまったお金を用意する必要がなく、初月から一定の月額料金だけで気軽に新車に乗ることができます。

乗りたい車に新車で乗れる

カーリースでは、契約者のために現行モデルの新車が用意されます。
新車なので、中古車のように故障やトラブルが起こる心配もありません。

ほとんどのカーリース会社では、国産メーカーのほとんどの車種から選ぶことができます。
そのため、色んなディーラーを回る手間も省けます。

また、普通の新車を自分で購入するときと同じように、色やグレード、オプションの追加まで自分で選ぶことができます。
中古車のように在庫の中から車を選ぶのではなく、契約者の要望通りの車をリース会社が用意するシステムだからこそできることです。

新車を購入するときと同じように、自分の好きな車に新車で乗れるのは大きなメリットですよね。

乗り換え時も廃車手続きが不要

購入した車から次の車に乗り換える際、中古車買取業者を探したり、廃車手続きを行ったりと何かと手間がかかりますよね。
カーリースの場合は、契約満了時にリース会社に車を返却するだけでいいので、面倒な廃車手続きなどは一切不要です。

車は7年以上乗り続けると、経年劣化による不調が表れやすいと言われています。
しかし、カーリースであればそうなる前に契約期間が終了し、まとまったお金を用意しなくてもすぐに新しい車に乗り換えられます。

また、リースしていた車が気に入った場合は同じ車を再リースしたり、残価を支払うことで買い取ることも可能です。

普通の車両と同じナンバーを付けられる

レンタカーのナンバーは、レンタカーだと分かるように「わ」や「れ」にするように決められていますが、リース車両のナンバーは、普通の車両と変わらないナンバーを付けることができます。
そのため、表面上はリースだと気づかれることもありません。

また、リース会社によってはナンバーの指定に対応してくれるところもあります。

法人は節税ができる

法人や個人事業主が新車を現金で一括購入した場合、固定資産という扱いになります。
そのため、まずは自社の資産として計上し、減価償却によって普通車は6年、軽自動車は3年かけて経費化する必要があり、その年の経費として全額を計上することはできません。

しかし、カーリースの場合は、月々のリース料金を全て経費計上することが可能なため、全額を必要経費として処理することができます。
つまり、経理上の手続きを簡素化することが可能となり、法人や個人事業主にとっては節税効果があるのです。

カーリースのデメリット

非常に便利なカーリースですが、メリットだけでなくデメリットも存在しています。
カーリースのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

総支払額はオートローンよりも高くなる

一般的にカーリースの残価設定額よりも、新車を購入し、手放す際に下取りに出した下取り価格の方が高くなる傾向にあります。
これは、車の使用者が乱暴な乗り方をしたり、事故を起こす可能性もあるため、リース会社がそういったリスクを見込んで残価設定をするためです。

また、残価設定額に加え、月々のリース料金に含まれている車検費用やメンテナンス費用、自動車税なども分割で支払っていることになるため、金利がかかります。
この金利も一般的な銀行のローンより高く設定されていることがほとんどで、カーリースはオートローンよりも金利的に損をしているのです。

リース終了後、返却せずにローンで車を買い取る場合も当然、ローンを組みなおすため金利がかかります。
月々の支払額はオートローンよりも安くなりますが、最終的に購入することを考えているなら、カーリースは損をしてしまうことになります。

走行距離に制限がある

カーリースではあらかじめ予定走行距離を設定し、その走行距離に応じて残価が設定されます。
この予定走行距離が少ないほど残価設定は高くなり、多いほど残価設定が安くなります。
つまり、予定走行距離を多く設定すればするほど月々のリース料金の支払額は高くなるため、ロングドライブが好きな方にカーリースは不向きです。

また、設定された月間走行距離×契約月数の合計走行距離を超過してしまった場合、契約満了時に超過した分の費用を請求されてしまいます。
リース会社や契約プランによって違いはあるものの、500~2,000kmが平均の予定走行距離となっています。
カーリースの契約前に月間走行距離の上限や、月間走行距離を超過した場合の追加料金がどれくらいなのかなどは確認しておくようにしましょう。

途中で解約ができない

カーリースは基本的に、契約期間の途中で解約することができず、契約期間中の契約内容の変更もできません。
子供が生まれたから急遽大きめの車に変更、などといったことはできないのです。
途中で解約する場合は、残りのリース料金にプラスで高額の違約金を請求されることもあります。

この途中の解約にはもちろん、事故で車が修理不能になってしまった場合も含まれます。
事故で車が全損してしまった場合は強制的に中途解約となり、違約金の他に残り期間のリース料金も一括で支払う必要があります。
急にまとまったお金を用意しなければいけないため、家計には大きな負担となってしまいます。

こういった事態に備えて、カーリースでは任意保険に加入し、車両保険を付帯することが必須となります。
しかし、違約金まで補償する特約を付帯すると保険料は高額になり、ローンを組んで車両保険だけを付帯する場合と、費用面であまり変わりがないかもしれません。

追加精算が発生する

カーリースには、オープンエンド契約とクローズドエンド契約と言う2種類の契約方法があります。

中でも、オープンエンド契約はカーリースの契約終了時、追加精算が発生するため注意が必要です。
オープンエンド契約では、リース会社に車を返却する際の車の相場が、契約時に設定された残価よりも下落してしまった場合、その差額分を請求されてしまうのです。
契約期間中にリコールがあった車や、マイナーな車などはこの差額を支払わなければいけない可能性が高くなります。

また、カーリースの契約が満了し、リース会社に車を返却する際、事故による破損や車体のこすれキズ、車内の汚れなどがあると、全て残価の減額対象となってしまいます。
査定の基準はリース会社によって異なりますが、残価を設定時に想定されていた劣化状況を超えていると判断された場合、追加精算が発生してしまうのです。

カスタマイズができない

リースした車は、取り外しが容易なオプションを除いて、基本的にドレスアップやカスタマイズはできません。
カーリースには「改造禁止」という利用規約があり、これに違反した場合は違約金を支払うことになります。
改造はもちろんのこと、社外インチアップのアルミホイールを装着したり、社外オーディオ関連機器の取り付けなどもできない場合がほとんどです。

リースした車を改造した場合は、カーリースの契約が満了し、車をリース会社に返却する際、原状回復させるか買い取る必要があります。
リースした車の所有者はリース会社です。これも、アパートと同じだと考えれば分かりやすいですね。

車を自分好みに改造したり、凝ったカスタマイズをしたい場合は、カーリースは不向きだと言えます。

カーリースの向き・不向き

カーリースのメリットとデメリットを踏まえた上で、カーリースが向いている人、不向きな人はどんな人なのか見ていきましょう。

カーリースが向いているのは?

カーリースが向いているのは下記のような人です。

  • 毎日走る距離が大体決まっている
  • ロングドライブが趣味ではない
  • まとまったお金をすぐに準備できない
  • 短期間で新車に乗り換えたい
  • 毎月定額で車に乗りたい
  • 毎月の支払額を抑えたい

まとまったお金をすぐに準備できなかったり、月々の支払額を抑えて車に乗りたいという方は、カーリースに向いていると言えます。

カーリースが向いていないのは?

では反対に、カーリースが向いていないのはどんな人でしょうか。

  • 長距離を走ることが多い
  • ロングドライブが趣味
  • 車は長く乗りたい
  • 車は自分好みにカスタマイズしたい
  • 車の運転に自信がない
  • 金利や手数料を安く抑えたい
  • 現金一括で購入できる

まとまったお金を準備することができる方は、車を購入した方が総支払額は安くなるため、カーリースには向いていません。
また、カーリースで追加精算が必要になるような乗り方をする可能性がある場合は、カーリースはあまりおすすめできません。

まとめ

今話題のカーリースについて解説しました。

カーリースは便利なシステムですが、全ての人におすすめできるものではありません。
カーリースのメリットやデメリットを、自分の車の乗り方や資金面と照らし合わせた上で利用を検討するようにしましょう。