車の色褪せの原因は?色褪せを防ぐ方法や対処法もご紹介

ある程度年月が経ってくると、車のボディがくすんでいるように感じる方は多いのではないでしょうか。
どんなに丁寧に乗っているつもりでも、車のボディカラーは年月が経つにつれて色がくすみ、退色していきます。

ここでは、車の色褪せの原因や色褪せの防ぎ方、色褪せてしまった時の対処法などをご紹介します。

車の色褪せの原因は?

車の塗装は、下記の4層構造になっています。

  1. 下塗り…錆を防ぐためのコーティング
  2. 中塗り…上塗り補強のためのコーディング
  3. 上塗り…実際のボディカラー
  4. クリア塗装…塗装の光沢を出し、ボディを保護するためのコーディング

4層目のクリア塗装が劣化すると、色褪せの進行が始まっていきます。
では、色褪せを進行させてしまう原因にはどのようなものがあるのでしょうか。

紫外線

車の色褪せの一番大きな要因は紫外線です。
紫外線には有機化合物の分子の結合を壊す働きがあり、人間だけでなく車にも悪影響を及ぼします。

車が紫外線を浴びると、クリア塗装表面から徐々に破壊されていきます。
このダメージが塗装内部まで積み重なり、上塗り塗装にまで届くと、ボディに白い粉が付き始めます。
こうなると、新車時にあった車の光沢が失われ、どんどん色褪せが進行していってしまいます。
この現象を「チョーキング現象」と言い、車の色褪せの一番大きな要因となっています。
このチョーキング現象を起こさないためにも、クリア塗装を劣化させないことが重要です。

水垢

水にはミネラル成分が含まれています。
ミネラル成分がボディに付着すると、イオンデポジットと呼ばれるクレーターのようなものが塗装表面に現れます。
イオンデポジットにさらに水が溜まると、蒸発するときに塗装部分が熱されることで縮んでしまい、最終的に割れてしまう可能性もあります。

このミネラル成分は、雨水にも水道水にも含まれています。
雨や洗車時の水を拭き残しなども、ボディカラーの色褪せの原因となるため注意しましょう。
また、車の塗装はアルカリ性に強く酸性に弱い性質を持っているため、酸性雨も色褪せの原因になります。

花粉

花粉にはペクチンと呼ばれるタンパク質が含まれています。
ボディに付着した花粉が雨などによって水に濡れると、このペクチンが流れ出すことでシミを作り出します。
特に、春に飛散するスギやヒノキは粒子が大きく粘着力があるため、一度付着すると落ちにくく、ペクチンが流れ出すと塗装が黄色っぽい色になります。
また、このペクチンはそのまま乾燥してしまうと収縮し、塗装を傷めてしまう原因にもなります。

鳥の糞

鳥の糞には、強力な酸性の消化液が含まれています。
そのため、鳥の糞がボディに付着したまま放置していると、酸性の消化液によって塗装が変色していきます。
また、虫の死骸や樹液などにも塗装を変色させてしまう成分が含まれているため、注意しましょう。

鉄粉

工場や線路などから出る鉄粉がボディに付着すると、鉄の粉が錆びていくことで、ボディも錆びさせてしまいます。
これは、お風呂場の金属部分が錆びると、その金属が触れていた部分も錆びてしまうのと同じです。
駐車場の近くに鉄工場や線路がある方などは注意しておきましょう。

色褪せを防ぐには

洗車

年月が経つにつれて進行してしまう車の色褪せですが、車の保管状況や日々のメンテナンスによって防ぐことができます。
車をできる限り色褪せさせない方法をご紹介します。

直射日光が当たらない場所に車を保管する

お話ししたとおり、紫外線は車の色褪せの大きな要因となります。
そのため、直射日光が当たらない屋根付きの駐車場やガレージに保管し、紫外線を車に当てないようにすることが効果的です。
また、屋根付きの駐車場やガレージに車を保管すれば、紫外線だけでなく雨風からも車を守ることができます。

とはいえ、そうはいかない方もいますよね。
そんな方におすすめしたいのがボディカバーです。
毎日車を使用する方などは少し面倒かもしれませんが、ボディカバーをかけておけば、屋外に駐車していても紫外線や雨風から車を守ることができます。
しかし、車に汚れなどが付着していた場合、ボディカバーを付けることによって汚れがボディに擦れてしまい、ボディが傷ついてしまう恐れがあるので注意しましょう。

こまめに洗車する

車の色褪せを防ぐためには、こまめに洗車を行い、車に付着した汚れを放置しないことも大切です。
雨の中を走行したり、ボディに鳥の糞が付着した場合などは、すぐに洗車を行うようにしましょう。
洗車をしすぎるのも車にとってよくないですが、目に見えて汚れが付着していない場合でも、1~2週間に一度は洗車を行うことが理想的です。
しかし、洗車後に硬いタオルで拭き取ってしまうと塗装を傷つける原因にもなってしまうため、洗車後は柔らかいタオルで拭き取るようにしましょう。

コーディング

コーディングで塗装面を保護し、色褪せの原因となるものをなるべくボディに触れさせないことで、車の色褪せを防ぐことができます。

UVカット仕様のコーディングを行えば、紫外線によるダメージが上塗り層にまで及ぶことを防げるため、ボディカバーをかけるよりも手軽に、紫外線から車を保護することができます。
このコーディングはディーラーやカー用品店、整備工場で依頼することができます。
定期的にコーディングを行うことで、紫外線から塗装面を守ることができ、ボディの色褪せ防止につながります。

また、コーディングはコーディング剤などを購入し、自分で行うこともできます。

自分でコーディングを行う手順

  1. 手洗い
  2. 鉄粉除去
  3. コンパウンド
  4. 脱脂
  5. コーディング

自分でコーディングを行う際は、脱脂作業をしっかり行うのがポイントです。
油分をしっかり取り除いておくことでコーディング剤が付着しやすくなり、よりきれいに仕上げることができます。

自分でコーディングを行えば、ディーラーやカー用品店、整備工場などに依頼するよりも費用を安く抑えることができます。しかし、手間や時間がかかるうえ、プロに任せる方が塗装の劣化を抑えるコーディングを確実に行ってもらえるので安心です。

色褪せを復活させるには

車を磨く男性

色褪せてしまった車を、きれいな元の色に戻すことはできるのでしょうか。
色褪せを復活させる方法について見ていきましょう。

コンパウンドで磨く

コンパウンドでボディを磨くことで、色褪せてしまった部分の塗装を除去することができます。
塗装面のダメージが深い場合は、コンパウンドで磨いた後に再度塗装すると、色褪せを復活させることができます。

コンパウンドは車の色褪せの状態に合わせて選び、押す力を均一にして、全体的にムラなく磨くことが重要です。
コンパウンドを使用する際、ボディに汚れが残っていると汚れを擦りつけてしまうことになり、かえってボディが傷ついてしまう恐れがあります。事前に洗車を行い、車を綺麗な状態にしてから使用するようにしましょう。

自分でこの作業を行えば費用を安く抑えることができますが、作業場所を確保したり、ムラを出さずに研磨・塗装する技術力が必要となります。

業者に依頼する

自分で車のボディを磨き、再度塗装するという工程は簡単ではありません。
ディーラーや修理工場などの業者に依頼する方が、きれいにムラなく色褪せを復活させることができます。
業者に依頼した場合、依頼先によっても異なりますが、磨きのみの場合は1~3万円、部分的に塗装を行った場合は5万円程度が相場になります。

復活させたとしても…

コンパウンドを使用したり、再度塗装を行ったりして自分で色褪せを復活させた場合も、業者に依頼して色褪せを復活させた場合も、車を売却する際には大きなマイナス評価となってしまいます。
車の買取査定では、再塗装などを行うと評価が下がってしまう可能性が高く、場合によっては色褪せた状態のもまま買い取ってもらった方が、高い値段が付くこともあります。

しかし、年式が古く色褪せてしまった車などは、中古車買取業者が買い取ってくれないこともあります。
そんなときは廃車買取業者に買い取ってもらうことで、思わぬ値段が付く可能性があるのです。
中でも海外への販路を持っている業者であれば、パーツとして再利用することなども可能なため、高価買取につながりやすいです。
色褪せの修復に思っていたよりもお金がかかるという方や、年式が古く、そろそろ買い替えも考えていたという方などは、一度廃車買取業者に査定を依頼してみてもいいかもしれません。

まとめ

車は長い間乗っていると、どうしても色褪せてきてしまうものです。
色褪せを最小限に抑え、綺麗なボディカラーを保つためには、紫外線や雨風を防げる場所に車を保管したり、日頃からメンテナンスを行うことが重要です。

色褪せをきれいに復活させたい場合は、業者に依頼することをおすすめします。
しかし、車種やボディカラーによってはかなり高額になってしまうこともあるので、きちんと見積もりを取っておくようにしましょう。