車のエアコン故障、原因や修理費用を徹底解説!

夏場や冬場、車内で快適に過ごすために車のエアコンは必須ですよね。
筆者は真夏の渋滞中に車のエアコンが壊れてしまった経験がありますが、まさに地獄のような暑さでした。

エアコンが故障してしまったら速やかに修理に出す必要がありますが、どこに修理を依頼したらいいのか、費用はどれくらいかかるのかなど気になりますよね。
エアコンの故障は、その原因によって費用も変わってきます。
ここでは、エアコンの故障の原因や修理の内容、費用などについて詳しくご紹介していきます。

エアコンの故障で起こる不具合とは?

車のエアコンが故障すると、様々な不具合が生じます。
ここでは、エアコンの故障で起こる不具合の原因を解説していきます。
エアコンが故障したかも?と思ったら、その不具合の原因を知り、適切に対処するようにしましょう。

冷房が効かない

エアコンは作動しているのに冷房が効かないというケースは、エアコンの故障の中でもよく見られます。
風は出ているのにその風が冷たくないという場合は、エアコンガスが不足しているか、エアコンガスが漏れていることが考えられます。
エアコンの内部は、エアコンガスが循環することによって冷風を送る仕組みになっています。
そのため、ガス不足やガス漏れが起こった状態ではこの仕組みがうまく機能せず、冷房が効かなくなってしまうのです。
また、車のエアコンのスイッチをオンにすると通常「カチッ」という音がしますが、この音がしない場合、コンプレッサーが故障している可能性があります。

暖房が効かない

エアコンは作動しているのに暖房が効かない場合は、エンジンを冷やす冷却水が不足していることが考えられます。
車は、エンジンから発せられる熱を吸収して暖房に活用しているため、この冷却水が不足していると暖房がうまく機能しません。
また、冷却水は十分に入っているにも関わらず暖房が効かない場合は、冷却水の温度を調整するサーモスタットが故障している可能性があります。
このサーモスタットが故障した場合、暖房の効き目が悪くなるだけでなく、エンジンがオーバーヒートを起こす可能性もあります。

異臭がする

冷房や暖房は効くもののエアコンから嫌な臭いがする場合、エアコンフィルターの汚れ、エバポレーターの汚れなどが考えられます。
エバポレーターとは冷却器のことで、カビなどの雑菌が繁殖しやすく、嫌な臭いの原因となりやすいです。
カビや雑菌を放置していると、臭いだけでなく気管支ぜんそくやアレルギーなどの原因にもなり得ます。

異音がする・風が出ない

エアコンから異音がしたり、そもそもエアコンから風が出てこないといった場合は、ファンモーターが故障している可能性が高いです。
その他にも、エバポレーターやフィルターの汚れが原因となっていることもあります。

エアコンの修理にかかる費用は?

エアコンの故障で起こる不具合とその原因についてお話ししました。
ここからは、エアコンの故障を修理する方法やその費用などを、原因別に解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。

エアコンガスの補充・交換

車の冷房は、エアコン内部のエアコンガスが循環して冷気を作っているので、エアコンガスが不足していると、冷房の効きが悪くなります。
エアコンガスが足りないことが原因で冷房の効きが悪くなっている場合はガスを補充するだけでいいので、かかる費用は3,000~5,000円程度と比較的安いです。

エアコンガス漏れの修理

エアコンガスは十分にあるのに冷房が効かない場合は、結合部分などに亀裂ができてしまい、エアコンガスが漏れてしまっている可能性があります。
エアコンガスを補充してもすぐになくなってしまったら、エアコンガスが漏れている証拠です。
この場合、ガスが漏れている場所にもよりますが、20,000~50,000円程度の費用がかかります。

コンプレッサーの修理・交換

エアコンガスに問題はないのに冷房が効かない場合や、エアコンスイッチを入れた時に「カチッ」という音がしない場合は、コンプレッサーの故障が考えられます。
また、コンプレッサー内部に不調や損傷がある場合、エンジン付近からノイズが聞こえることもあります。
このコンプレッサーの不調の原因を特定するのは専門業者でなければ難しく、交換が必要となることがほとんどです。
コンプレッサーの交換費用は、5,000~100,000万円とやや高額になります。

冷却水の補充・交換

冷却水とは、エンジンを冷やしてオーバーヒートを起こさないようにする、エンジンのサビを防ぐためのものです。
エンジン内で冷却水が循環し、エンジンを冷やす際に奪った熱を使用することで暖房は作動しているため、この冷却水が不足すると暖房の効きは悪くなります。
冷却水の交換費用は5,000円程度なので、暖房の効きが悪いなと思ったら、冷却水を補充、交換するようにしましょう。

サーモスタットの修理・交換

冷却水は十分にあるのに暖房が効かない場合は、サーモスタットに原因がある可能性が高いです。
サーモスタットとは、エンジンが過度に低温や高温にならないよう、冷却水の温度を調整する部品です。
このサーモスタットが故障してしまうとエンジンに冷却水が流れすぎてしまい、暖房が効かなくなってしまうのです。
サーモスタットの交換にかかる費用は10,000円前後です。

ファンモーターの修理・交換

そもそも、エアコンから風が出てこないという場合は、風を作り出すファンモーターが故障していることが考えられます。
このモーター自体が故障している場合は、交換が必要となることもあります。
ファンモーターの交換には20,000~30,000円ほどかかってしまいます。

フィルターの交換

エアコンから異臭がする場合は、エアコンのフィルターにカビが繁殖していたり、ホコリやゴミなどが詰まっている可能性があります。
エアコンを使用しない期間が続き、空気が循環しなくなると、フィルターにカビが発生しやすくなってしまいます。

このエアコンフィルターの交換は、自分ですることが可能です。
自分で交換する場合、カー用品店やディーラー、ネット通販などで1,000~5,000円程度で購入できるので、商品の適合車種を確認して購入するようにしましょう。
業者に交換してもらう場合も、フィルター代と別に工賃が1,000~2,000円ほどかかる程度なので、気軽に依頼することができます。

エバポレーターの洗浄

エアコンから異臭がする原因は、フィルターの汚れだけではなく、空気を冷やす働きを持つエバポレーターの汚れであることも考えられます。
そのため、エアコンの異臭が気になったらフィルターの交換だけでなく、エバポレーターの内部洗浄を行ってもらうことも効果的です。
このエバポレーターの洗浄は、以前は取り外して丸洗いする必要があったため10数万円ほどかかっていましたが、近年、高圧洗浄により取り外す必要がなくなったため、25,000~30,000円程度で洗浄してもらうことができます。

エアコン修理、どこに依頼する?

では、実際にエアコン修理を依頼するとき、どこに依頼したらいいのでしょうか。
車の修理は依頼先によって得意分野や費用が異なり、エアコンの修理にも得意不得意があります。
ここからは、それぞれの特徴について詳しく解説していきます。

整備工場

普段から車検などで付き合いのある整備工場がある方は、エアコンの修理もそこに依頼するのが安心です。
付き合いのある個人経営や小規模な整備工場であれば、値引き交渉などもしやすいですよね。
また、レベルの高い整備士が在籍している整備工場であれば、技術面でも安心して任せることができ、修理費用もディーラーに依頼するよりは安く済むことがほとんどです。

ディーラー

メーカー保証期間・ディーラー保証期間内にエアコンが故障した場合は、無料で修理してもらえることがあるため、ディーラーにエアコンの修理を依頼するのがおすすめです。
しかし、こういった保証期間外の場合は他の業者に比べると、ディーラーでの修理は割高となっています。
また、ディーラーはエアコンなどのような電装系の修理が得意でない場合が多く、実際は電装屋に外注することがほとんどです。

電装屋

エアコンの修理は「電装系」と呼ばれ、車両本体の整備が専門の一般的な自動車整備士は、この電装系の整備や修理は専門外であることがほとんどです。
そのため、エアコンの修理は自動車整備士よりも、電装関係パーツの専門業者である電装屋に依頼するのが確実です。
一般的に、修理費用もディーラーより安く、整備工場と同程度の相場となります。

電装屋の中にはディーラーを通さないと注文を受け付けない業者もいますが、最近ではインターネットなどから直接受付可能な業者も増えてきています。

カー用品店

カー用品店は比較的安価で修理してくれるところが多いです。
店舗によって価格が異なることもあるので、一度店舗に確認してみることをおすすめします。
しかし、カー用品店では複雑な修理まではできないところもあります。

ガソリンスタンド

ガソリンスタンドでは、給油の際に点検もかねて修理を依頼することができるので、気軽に修理の依頼をすることができます。
しかし、ガソリンスタンドもカー用品店と同様に、複雑な修理までは対応できないことが多いです。

まとめ

車のエアコンに異常を感じたら、故障の原因を探してすぐに修理してもらうようにしましょう。
エアコンの故障はその原因によって、修理方法や費用が異なります。
自分に合った依頼先を探し、修理に出すようにしましょう。

また、車の年式が古く、修理費用が高額になる場合は、廃車などを検討してもいいかもしれません。
ずっと乗ってきた車であれば、エアコンの故障を車の買い替えを考えるきっかけにしてもいいかもしれませんね。