ながら運転はNG!ポケモンGOによる事故?安全な楽しみ方とは

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2022年11月18日に最新作ポケットモンスター スカーレット・バイオレットの発売が開始されて話題となっています。最新作をプレイするには任天堂のゲーム機SWITCH(スイッチ)が必要ですが、実は、SWITCHが手元になくても遊ぶことのできるポケットモンスターがあることはご存知でしょうか。それが、スマートフォン用アプリゲームのポケモンGOです。ポケモンGOは2016年7月に配信を開始し、150以上の国と地域で展開されていて、2021年時点ですでに10億回以上ダウンロードされた人気ゲームとなっています。

しかし人気の高いゲームだからこそ、ポケモンGOの配信が開始された当時、いくつかの車の事故のニュースがあったことをご存知の方もいらっしゃるでしょう。スマートフォンで遊べるゲームだからこそ、楽しくゲームをするために気を付けたいポイントがあるのです。こちらでご紹介します。

ポケモンGOのながら運転が原因の事故について

NHKの報道によると2016年7月22日の配信開始から同年7月26日の昼ごろまでの時点で、ポケモンGOのながら運転による交通事故が全国で36件発生し、うち4件で怪我をした人がいました。また、事故に至らなかったもののポケモンGOのながら運転で検挙されたケースは同日間で71件にのぼったそうです。約4日間でのことですから、事故は1日あたり9件程度、検挙は1日あたり18件程度発生していることになります。

ポケモンGOが配信されるよりも前から携帯電話・スマートフォンのながら運転による事故は当然発生していましたが、交通事故総合分析センターのデータを参照したところ、それまでの「携帯電話・スマートフォンが原因の交通事故」は年間で合計2000件未満でした。1日あたり約5件のペースです。ポケモンGOのアプリが原因の事故だけで(短期間の集計とは言え)、携帯電話・スマートフォンが原因の交通事故を、さらに上回るペースになっていたことがわかります。また、2016年10月にはポケモンGOを操作しながらトラックを運転し、小学生が亡くなるという痛ましい事故もありました。この事故の後、開発・販売元であるNianticや版権を持つ株式会社ポケモン・任天堂などによって更なる安全対策が検討され、機能が加えられました。

現在のポケモンGOの安全対策

2016年11月の仕様変更で、「一定以上のスピードで移動するとポケモンGOのプレイが制限される」という安全対策機能が追加されました。GPSの計測上で移動速度が時速40キロを超えると、ポケモンGOのプレイができないように自動的に制限される仕組みとなっています。

これは「ポケモンGOに限らないこと」ですが、運転中(信号待ちなども含める)に携帯電話・スマートフォンを操作・注視するのは非常に危険です。60km/hで走行中だと、たった2秒間目を離している隙に、33m以上進んでしまいます。片側1車線の狭い道路の制限速度としてよく設定されている30km/hでも、2秒で16m以上進みますので危険を察知できない可能性が高まります。また、危険を察知してブレーキペダルを踏んで車が停止するまでの距離(空走距離+制動距離)も含めると、事故になってしまう距離は更に伸びます。信号待ちであったとしても、スムーズな発進ができずに後続の車に迷惑をかけたり、追突される可能性が増えます。

ながら運転、ながらスマホの罰則強化

上記の通り、運転中に携帯電話・スマートフォン等を操作することは非常に危険であるため、道路交通法で禁止されており、違反者には罰則が発生します。
令和元年12月1日施行された道路交通法の改正によって、運転中のスマホ等の使用をすることに対して罰則が強化されました。

まず、運転中にスマホ等を使用し画像注視した結果、交通事故等を起こして交通の危険を生じさせた場合は、「携帯電話使用等(交通の危険)違反」となり、改正前は3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金でしたが、改正後は1年以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられます。「携帯電話使用等(交通の危険)違反」の場合は反則金制度がなくなり、すべて罰則の対象となりました。違反時の点数は6点で、一度で免許停止になります。

また、危険が発生しなかった場合でも、運転中にスマホ等を使用して画像注視する行為は「携帯電話使用等(保持)違反」となり、改正前は5万円以下の罰金でしたが、改正後は6か月以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられます。「携帯電話使用等(保持)違反」の場合は反則金制度の対象となり、大型車は2万5千円、普通車は1.8千円、二輪車は1.5千円、原動機付自転車は1.2千となります。違反時の点数は3点です。

ポケモンGOに限らず、スマートフォンのながら運転は自分や他者の人生を狂わせてしまう可能性があります。また、運転するときだけでなく、自転車などの軽車両の利用時や歩行者でも、ながらスマホは危険です。運転者だけがいくら注意していても、歩行者の方から交通ルールを無視して突っ込まれては事故は避けようがありません。

ポケモンGOの遊び方を簡単に説明

ポケモンGOの安全な楽しみ方を説明する前に、ポケモンGOのことを詳しく知らない方もいらっしゃるかと思いますので、簡単にゲームの遊び方や用語を説明します。

ゲームサイクル

ポケモンGOは、スマートフォンに搭載されたGPSで取得した位置情報を利用する「位置情報ゲーム」で、【現実世界の各地に配置されたポケモンやアイテムを集め、集めたポケモン同士を「ジム」という場所で対戦させる】というのが大まかなゲームの流れです。フィールドマップ上に現れたポケモンを捕まえる際は、ポケモンをタップするとスマートフォンのカメラで映している景色の上にポケモンを表示する(AR機能)ことができて、まるで本当に現実世界にポケモンが現れたかのように感じることができます。画面上のモンスターボールをポケモンに投げると、捕まえることができます。

ポケストップ

ィールドマップ上の青いモニュメントがポケストップです。その地域の有名な建物や特徴あるモニュメントなどがポケストップに設定されており、ポケストップに近寄ることでゲームを遊ぶためのアイテムがいくつか無料で入手できます。

▼ポケストップで入手できるアイテムの一例
モンスターボール:ポケモンの捕獲時に使うアイテム
タマゴ:ふかそうち(孵化装置)という別のアイテムにタマゴを入れた状態で現実世界で一定距離歩くことでポケモンが生まれる
キズぐすり:ポケモンバトルで減少したポケモンの体力を回復するアイテム

ジム

特に人が集まりやすい駅などの辺りは、「ジム」という場所に設定されています。ポケモントレーナーたちは3つのチームに分かれていて、ジムを取り合うジムバトルをすることができます。別のチームのトレーナーがポケモンを配置しているジムだった場合、相手が配置したポケモンと対戦して倒すことが出来ると、ポケモンのやる気がゼロになりジムからいなくなります。すべてのポケモンがいなくなると、新しく自分のポケモンを配置することができるようになります。

ポケモンGOを安全に楽しむ方法とは

現実世界にリンクするようにポケモンが各地で出現するというのは、ポケモンファンにはたまらない仕組みですのでハマってしまうのは無理もないことですが、現実世界で特定の場所までの移動が必要なゲームシステム(特にタマゴの孵化はアプリを起動しながら移動しなければ移動距離が増えない仕様)のため、位置情報を利用しない他のアプリに比べると「歩きスマホ」や「ながら運転」を誘発してしまいやすいという一面を持っています。
前述のとおり、開発会社も決して安全対策を怠っているわけではありませんが、まだ万全であるとも言えず、より安全に楽しめるゲームシステムの改善や、GPS・ARを用いたコンテンツに対する新たな法律の制定などが必要と考えます。

車を停車させてから車内でプレイする

ポケモンGOは、時速40キロをこえるとプレイが制限される機能が追加されたため、一般的な車の走行スピードではゲームをプレイすることはできません。そのため、運転者がドライブで出かけた時にポケモンGOをプレイする方法は2つです。

1つ目は、ポケストップ付近で停車している最中にポケモンGOをプレイする方法です。
路肩や駐車場に停車している最中にポケモンGOのマップを確認して、ポケストップなどになっている場所まで車で移動し、移動先で停車してポケモンやアイテムを回収した後に次の目的地を探します。

駅のロータリーなどはポケモンやポケストップが多いので狙い目ですが、駐停車している車が多い場合は、長時間の停車や、停車する場所によっては他の車や歩行者の邪魔になってしまいますので、周りに迷惑がかからないよう注意する必要があります。

また、ゲームのプレイよりも交通ルールと安全が最優先ですので、ポケストップが近いからといって交差点や曲がり角から5メール以内の部分などの「駐停車禁止の場所」に車を停めることがないようにしなければなりません。

車を駐車して歩いてプレイする

運転者がドライブで出かけた時にポケモンGOをプレイするもう1つの方法は、駐車して徒歩移動に切り替えるというものです。「それはもはやドライブではないだろう」と突っ込まれてしまいそうですが、気にしてはいけません。都会・都市部に住んでいる方は、徒歩のみのプレイでも特に問題ないと思われますが、郊外から少し離れた場所ではポケストップやポケモンが少なくなり、ただ漫然と歩いているだけではあまりプレイできません。レアなポケモンが生息する場所や、ポケストップが多く配置されている場所まで効率良く移動するのに自動車は最適です。

ただし、大きな公園などはレアポケモンが必ず出現する「ポケモンの巣」と呼ばれる場所になっており、ポケモンGOが配信されて以来、ポケモンの巣になった公園を訪れる人が増え、駐車場が満車になる頻度が急増したそうです。その影響で公園周辺の違法な路上駐車が増加し、周辺の住民への迷惑にもなっています。駐車はちゃんと定められた場所にしなければなりませんので、目的地の駐車場が満車だった場合は近くのコインパーキングなどを探しましょう。

また、買い物やレジャーなど、ポケモンGO以外に自動車で出かける理由がある場合は、目的地でポケモンGOをプレイして、特に意識せずこのパターンになっている人も多いのではないでしょうか。

自動車から降りたらポケモンGOに熱中しても安全というわけではありません。
冒頭でも説明した通り、歩きスマホは非常に危険ですので、周囲の状況をよく確認して安全な場所で立ち止まってからのプレイをおすすめします。

まとめ

ポケモンGOは安全に配慮してプレイすれば非常に楽しいゲームです。個性あふれる魅力的なポケモンが現実世界に出てきたかのような演出は、ポケモンファンであれば感動するのは間違いありません。老若男女問わず多くの人がプレイしていて、友達や家族との共通の話題にもなり、他者とのコミュニケーションを活性化してくれるでしょう。

しかしその一方で交通事故や歩きスマホによる事故などが起きてしまいやすい仕組みでもありますので、友人・知人に負けじとポケモン集めに熱中するあまり、交通ルール・マナーを無視してしまう人も非常に多いようです。
また、身近な人がながらスマホをしているのであれば、その場で「危ないよ」と注意してあげましょう。小さなお子さんがポケモンGOプレイするときは、歩きながらプレイすることの危険性や安全に遊ぶ方法を保護者の方がしっかりと教えましょう。

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