ブレーキパッドの交換時期の見分け方とは?交換費用なども徹底解説!

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車のパーツの中でも、かなり重要な役割を担っているブレーキ。
タイヤと連動し、回転しているブレーキディスクを挟む制動装置のことをブレーキパッドと言います。
このブレーキパッドはブレーキをかける度に摩耗してくるため、定期的な交換が必要となります。

ここでは、ブレーキパッドの交換時期を見分ける方法や、交換にかかる費用などについて解説していきます。

ブレーキパッドの交換はなぜ必要?

ブレーキパッドの交換は、なぜ定期的に行う必要があるのでしょうか。
ブレーキパッドの役割や、ブレーキパッドを交換しなければ起こり得ることなどについて見ていきましょう。

ブレーキパッドの役割

車のブレーキには、ディスクブレーキとドラムブレーキの2種類があります。
近年は、放熱性に優れているという理由から、ほぼ全ての車種の前輪にディスクブレーキが使用されており、スポーツカーや重量級のミニバン、高級車などには、後輪にもディスクブレーキが使用されていることが多いです。
このディスクブレーキは、ブレーキキャリパーに取り付けられたブレーキパッドで、ブレーキローターを挟み込む際に生じる摩擦で制動力を生み出しています。
ブレーキローターはホイールと一緒に回転していますが、それをブレーキパッドで挟み、摩擦抵抗でローターの回転を止めることで、車を停止させているのです。

ブレーキ周りは当然、どれも車にとって重要なパーツとなりますが、このブレーキパッドは車を止めるために必要不可欠な、かなり重要なパーツとなります。
そのため、ブレーキパッドは摩耗したら必ず交換する必要があるのです。

ブレーキパッドを交換しないとどうなる?

ブレーキパッドはブレーキをかける度に少しずつすり減っていくため、走行している内にどんどん摩耗が進んでいきます。
ブレーキパッドの摩耗が進むと、ブレーキパッドがブレーキローターに接触するのに時間がかかります。
また、ブレーキパッドが摩耗すると同じようにブレーキフルードも劣化するため、ブレーキの機能が発動するまで時間がかかります。
こういった積み重ねでブレーキが利きづらくなり、車がしっかりとブレーキで停止することができなくなると、大きな事故につながることもあります。
ブレーキパッド周辺の他の部品の損傷にもつながるため、修理費や工賃などで余計なお金がかかってしまう可能性もあります。

寿命が近いブレーキパッドでも車検は通る?

車検が通っていれば、まだブレーキパッドを交換しなくても大丈夫だと思っている方も多いかと思います。
しかし、寿命が近いブレーキパッドであっても、車検を通ってしまうことがあるのです。
車検では、ブレーキが利くかどうかのみをチェックするため、ブレーキパッドの摩耗具合についての検査項目や規定はありません。
ブレーキパッドの交換時期に関しては、車検が通ったからまだ大丈夫だと思わず、自分で交換時期を見分ける必要があります。

ブレーキパッドの交換時期はどう見分ける?

では、ブレーキパッドの正しい交換時期とはいつなのでしょうか。
ブレーキパッドの交換時期を見分ける方法をいくつかご紹介します。

ブレーキパッドの厚さで交換時期を見分ける

新品のブレーキパッドは、メーカーによって多少の差はあるものの、約10mmの厚さのものが一般的です。
では、この厚さがどれくらいまですり減ったらブレーキパッドの交換時期として適切なのか、ブレーキパッドの厚さごとに見ていきましょう。

5mm現状では問題ありませんが、次回の車検までに走行距離が2万kmを超える場合は、次回の車検・点検のタイミングで、ブレーキパッドの交換を検討しましょう。

3~2mm以下ブレーキパッドを交換する目安となる、適切なタイミングです。

1mm以下ここまでブレーキパッドがすり減ると、ブレーキローターにダメージを与え、ディスクブレーキが損傷する可能性があります。
突然ブレーキの利きが悪くなり、大きな事故につながる可能性もあるため、すぐにブレーキパッドを交換するようにしましょう。

つまり、ブレーキパッドの厚さが2~3mm以下になってきたときが、ブレーキパッドの適切な交換時期だと言えます。

このブレーキパッドの厚みは、タイヤを外してブレーキキャリパーに取り付けられたブレーキパッドを実際に見て、確認する必要があります。
この時重要なのは、ブレーキパッドの外側と内側の両方を確認するということです。
ブレーキパッドは内と外の2枚でローターを挟み込む構造のため、外側の厚みが十分に残っていても、内側はかなり摩耗しているということもあり得ます。
内側のブレーキパッドの厚みは、ブレーキキャリパーをのぞき込むことでチェックすることができます。

音や警告灯で交換時期を見分ける

ブレーキパッドにはパッドウェアインジケーター(パッドセンサー)という機能があり、ブレーキパッドの摩耗が進むと、音や警告灯ランプで警告してくれます。
このパッドウェアインジケーターには機械式と電子式の2タイプがあり、国産車には機械式が採用されていることが多く、高級国産車や輸入車には電気式が採用されていることが多いです。

機械式と電気式、それぞれの場合のエンジンパッドの交換時期の見分け方について詳しく見ていきましょう。

◆機械式
機械式の場合、ブレーキパッドの中に金属片が入っており、ブレーキパッドの摩耗が進むと、その金属片が露出することによってローターと接触し、「キーキー」という音が発生する仕組みになっています。
この「キーキー」という音が聞こえたら交換時期ということになります。
ただし、この音は取り付けミスやローターの変摩耗によって鳴ることもあり、スポーツ走行向けなどのメタルの配合率が高いブレーキパッドの場合は、元々「キーキー」という音が鳴りやすくなっています。

また、「キーキー」という音ではなく、「カラカラ」や「ゴー」という音がする場合は要注意です。
「カラカラ」という音がする場合は、ブレーキパッドが割れてしまっている可能性が高いです。
ブレーキパッドが割れてしまうと、ブレーキローターを均一に挟み込むことができなくなるため、「カラカラ」と異音がすることがあるのです。
「ゴー」という、何かが擦れるような音がしている場合は、ブレーキパッドの金属片がブレーキローターと接触していたり、高温で溶けた摩材などが付着していたりする可能性があります。
これらの音がする場合は、すぐに点検を受けるようにしましょう。

金属片自体が摩耗してしまうと、音が聞こえなくなります。
「音がしなくなったので交換しなくていい」と思わないように注意しましょう。

■電気式
電気式の場合、ブレーキパッドの摩耗が進むと、ブレーキパッドに取り付けられている電線が断線することで、インパネのブレーキ警告灯ランプが点灯する仕組みになっています。
電気式は、このブレーキ警告灯ランプが点灯すればブレーキパッドの交換時期なので、簡単に見分けることができます。

走行距離で交換時期を見分ける

ブレーキパッドの交換時期は、走行距離から見分けることもできます。
普段の走り方や車種にもよりますが、一般的にブレーキパッドは、1万kmの走行で1mmすり減ると言われています。
新品のブレーキパッドは約10mmのものが一般的なので、それをもとに考えると、7万kmや8万kmまでは問題なく走行できるということになります。
しかし、ブレーキパッドは摩耗が進むと熱を持ちやすくなり、熱を持ったブレーキパッドはさらに摩耗が進みやすくなるため、下記の走行距離を交換時期の目安とすることをおすすめします。

普通車
走行距離:3〜4万km 4mm

軽自動車
走行距離:4〜5万km 5mm

上記の場合は、ブレーキパッドの厚さが5mm以下になっている可能性が高いです。
この走行距離まで走ったら、必ずブレーキパッドを交換する必要があるというわけではありませんが、上記の走行距離を目安に、ブレーキパッドがどの程度摩耗してしまっているかは確認しておきましょう。

しかし、エンジンブレーキよりもフットブレーキを多用するAT車、特にミニバンやHV車などは、車格に対して車両重量が重いためブレーキにかかる負担が大きく、この目安よりもエンジンパッドの寿命が短くなります。
反対に車両重量の軽い軽自動車などは、一般的な乗用車よりもエンジンパッド、ブレーキディスクローターともに、目安よりも寿命が長くなる傾向にあります。

ブレーキフルードの残量で交換時期を見分ける

ブレーキフルードとは、ブレーキペダルを踏んで発生した圧力を、ブレーキキャリパーに伝えるためのオイルのことです。
このブレーキフルードをチェックすると、ブレーキパッドを直接見なくても、ブレーキパッドの交換時期を見分けることができます。

ボンネットの中のエンジンルーム内にある、黄色がかった液体の入ったカップが、ブレーキフルードのリザーバータンクです。
リザーバータンクにはMIN(もしくはLOWER)、MAX(もしくはUPPER)の目印がついており、液面がMINに近づいていれば、ブレーキパッドの交換時期であると判断することができます。
ブレーキパッドがすり減ると、その分ブレーキキャリパーのピストンが押し上られるため、ブレーキフルードがブレーキキャリパーに流れ、リザーバータンク内のブレーキフルードの液面が下がるのです。
しかし、ブレーキフルードのみ補充してしまうとブレーキパッドがどのくらい減ったのかが分からなくなってしまうため、ブレーキパッドとブレーキフルードを同時交換している場合のみ、この方法でブレーキパッドの交換時期を見分けることができます。

ブレーキパッドの交換にかかる費用は?

ブレーキパッドの交換時期の見分け方についてお話ししました。
では、ブレーキパッドの交換をしようと思ったら、いくらぐらいの費用がかかるのでしょうか。
ブレーキパッド本体の部品代金と交換工賃を、それぞれ詳しく見ていきましょう。

ブレーキパッド本体の部品代金

ブレーキパッドは左右両輪分で1セットとなり、それぞれフロント用とリア用があります。
一般的にフロント用のほうが減りが早くなるため、交換サイクルも早くなります。

ブレーキパッド本体の部品代金の相場は下記のとおりです。

普通車
フロント用、リア用それぞれ8,000円~

軽自動車
フロント用、リア用それぞれ6,000円~

スポーツ走行用に使用されるブレーキパッドや、ミニバン、高級外車で使用される大きめのブレーキパッドはこれよりも高くなる傾向にあり、15,000円以上が相場となっています。

ブレーキパッドの交換にかかる工賃

ブレーキパッドを交換するときは、ブレーキパッド本体の部品代金だけでなく、交換に伴う工賃がかかります。
このブレーキパッドの交換にかかる工賃は、ブレーキパッドの種類や車種、整備工場などによって異なり、安いところでは左右二か所で6,000円前後、高いところだと一か所の交換で5,000円以上することもあります。
前後どちらかだけのエンジンパッドの交換で、ブレーキパッド本体の部品代金と工賃を合わせて、軽自動車の場合は12,000円~、普通車の場合は14,000円~が相場となります。
ただし、高価な部品が使われる高排気量の車両やスポーツカー、高級外車などはエンジンパッド本体の商品代金だけでなく、工賃も倍以上かかることがあります。

ブレーキパッドの交換を安く済ませるには?

ブレーキパッドの交換は、ブレーキパッド本体の部品代金と工賃を合わせると決して安くはないですよね。
このブレーキパッドの交換を、少しでも安く済ませる方法はあるのでしょうか。

ディーラーではなく修理工場やカー用品店で交換する

ディーラーではなく、カー用品店や修理工場などにブレーキパッドの交換を依頼すると、工賃を安く抑えることができます。
しかし、カー用品店や修理工場でも車種や店舗の技術力などで工賃が変動するため、店舗によってエンジンパッドの交換費用が倍近く変わることもあります。
そのため、エンジンパッドの交換費用をより安く済ませるためには、複数の店舗で相見積もりを取ることをおすすめします。
また、カー用品店などは週末に混雑しやすく、すぐに交換してもらえない可能性があるため、事前に予約しておくようにしましょう。

車検やタイヤ交換に合わせて交換する

車検や定期点検、タイヤ交換と同時にブレーキパッドを交換をしてもらうことで、エンジンパッドを交換する工賃を抑えることができます。
これは、車検やタイヤ交換の際にリフトアップをしてタイヤを外し、そのついでにブレーキパッドの交換を行うことができるため、タイヤを外す費用が無料、もしくは格安になるためです。
ブレーキパッド単体での交換作業となると、リフトアップをしてタイヤを取り外し、ブレーキパッドを交換するという工程が必要となるため手間がかかり、その分工賃がかかってしまうのです。
また、このような付帯作業となると、二か所の作業と四か所の作業の工賃は半額や同額程度になることもあるため、前後輪同時に、一気に四か所を交換する方が工賃が割安になります。
時期が大幅にずれていなければ、車検や定期点検、タイヤ交換をする際に一緒にブレーキパッドを交換することをおすすめします。

社外品のブレーキパッドに交換する

社外品のブレーキパッドは純正品よりも安価であることが多く、純正品の半額程度で購入できるものもあります。
中には、純正品よりも高性能なブレーキパッドも存在しているので、ネットなどで購入し、修理工場やカー用品店などに持ち込んで交換してもらう人も多いです。
純正品のブレーキパッドに特にこだわりがない場合は、値段も安く、高性能な社外品のブレーキパッドを一度試してみる価値はあるかと思います。

自分でブレーキパッドを交換する

ブレーキパッドをネットなどで購入し、自分で交換すれば工賃がかからないため、ブレーキパッドの交換費用を半分以下に抑えることができます。
法律上、ブレーキパッドを自分で交換することは全く問題ありませんが、「点検整備記録簿」にブレーキパッドの交換を記載する必要があります。
しかし、ブレーキは車の中でもかなり重要な箇所であり、手順を間違えると、自分だけでなく他人を巻き込む事故につながってしまう恐れもあります。
また、きちんと交換作業ができなかった場合、修理工場やディーラーに輸送費を払って持ち込むと、余計にお金がかかってしまうことにもなります。
ブレーキパッド本体の部品代金のみで交換できるのはメリットですが、交換作業に自信がない方は、ディーラーや整備工場などの業者に依頼するようにしましょう。

有整備資格者以外の人が他人の車のブレーキパッドを交換することは、道路運送車両法の第78条で禁止されているので注意しましょう。

まとめ

ブレーキパッドの交換時期を見極める方法や、交換費用などについてお話ししました。
ブレーキ周りは車の中でも重要な部分になるため、ブレーキパッドの交換時期は意識し、定期的に確認するようにしましょう。

また、ブレーキパッドの取り付けミスは命に関わる事故につながる恐れがあります。
ブレーキパッドの交換は、ディーラーや整備工場などのプロの整備士に依頼することをおすすめします。

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